午後3時のドルは上昇143円前半、米金利高とクロス円の円安基調で
[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場終盤(142.52/55円)から上昇し143.24/26円付近で推移している。時間外取引の米長期金利の上昇やクロス円の円安基調を背景に堅調に推移した。
ドルは朝方に一時142.05円付近まで下落。欧州中央銀行(ECB)理事会の量的引き締め(QT)や追加利上げ期待が高まり、ユーロは対ドルで一時1.0130ドル付近まで上昇。この流れが波及し、ドルは対円でも売られた。
ECB理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は9日、地元ラジオ局とのインタビューで、インフレの状況が変わらなければ一段と明確な対応が続くなどと述べた。
仲値にかけては実需のドル買いフローが入ったとみられるほか、ユーロ/円が7年ぶりの高値圏で推移するなどクロス円を中心に円売り圧力が強まった。
市場関係者によると「前週末にドルの調整売りが出たこととから、ポジションが軽くなっている。主要中銀と日銀の金融政策の違いを意識した円売りトレードが復活しやすい状況」(国内金融機関)といい、ドルは143円前半まで上昇した。
また、前週末に米連邦準備理事会(FRB)高官から金融引き締めに積極的な発言が相次いだことから、時間外取引の米長期金利が一時3.4%台まで上昇。「米金利先高観からドルを買う動きもあるようだ」(上田東短フォレックスの営業企画室室長、阪井勇蔵氏)との声も聞かれた。
ユーロについては、エネルギー供給不安など下押し圧力はあるものの、1ユーロ=1ドルの等価水準(パリティ)を割り込んでは切り返す展開が続いており「売り一色とも言い難くなってきた」(トレーダー)との見方が出ている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 143.24/26 1.0089/93 144.54/58
午前9時現在 142.55/57 1.0069/73 143.55/59
NY午後5時 142.52/55 1.0039/43 143.23/27