各国中銀、インフレ対応が喫緊の課題=BIS総支配人
2022年08月29日
[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 26日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)のアグスティン・カルステンス総支配人は、各国の中央銀行はインフレ対応を早急に行うべきだと指摘すると共に、物価上昇圧力となっているサプライチェーン(供給網)の問題が長引く可能性があることを認識すべきだと述べた。
多くの国は高インフレへの対応に苦慮しており、新型コロナウイルス後のサプライチェーンの問題が物価上昇要因の大部分を占めている。
カルステンス氏は、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、脱グローバル化の動きや人口動態の変化などがサプライチェーンの制約をより恒久的にする可能性があると指摘した。
「これまでインフレを抑制してきた供給面での追い風は逆風に変わりつつあるようで、世界経済は歴史的な変化の真っただ中にあるようだ」と述べ、「そうであれば、最近のインフレ圧力上昇はより長引く可能性がある」と説明した。
中銀政策のサプライチェーン問題への対応力は限られているため、政策当局者はインフレ対応に注力すべきだと主張。「金融政策は、現在のインフレ脅威に対処するという喫緊の課題への対応が必要になる」と語った。