国民から「大ブーイング」な岸田首相、自民党内すらまとめきれず「万事休す」か
自民党内をまとめきれない
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岸田文雄首相は今年7月の参議院選直後、「黄金の3年間」を手に入れたと言われた。7月8日に殺された安倍晋三元首相の国葬儀を行うと発表した時、自民党内外の右派の勢力の支持をしっかり集めたと確信した。にもかかわらず、9月からみるみるうちにメディア各社の内閣支持率は低下。「与党寄り」と言われた讀賣新聞と日本テレビによる11月の世論調査でさえ、ついに36%まで落ち込んだ。 【写真】森喜朗元首相が「血まみれ」で倒れ、集中治療室へ...一体、何が起きたのか 10月28日に閣議決定した事業規模72兆円・財政支出39兆円の大型総合経済対策については、「評価する」が62%で「評価しない」が32%と、世論はまずまずの評価をしている。だが旧統一教会問題に対する批判は非常に強く、73%が「被害者救済法案を今国会で成立させるべきと思う」と回答した。 こうした国民の社会的怒りが岸田首相に向けられた結果、内閣支持率の低下につながっているという印象だ。もっとも安倍元首相の暗殺は岸田首相の責任ではない。 さらにいえば、山際大志郎前経済財政担当大臣が辞任の4日後に自民党コロナ対策本部長に任命されたことも、岸田首相の責任とはいえない。そもそも山際氏を岸田内閣に押し込んだのは甘利明前幹事長で、党コロナ対策本部長に就任させたのは萩生田光一政調会長だった。 そしてその人事を「適材適所」と言ってのけたのが自民党の茂木敏充幹事長で、今年の参議院選での相互推薦をめぐり、公明党とひと悶着を起こしている。 自民党所属議員と旧統一教会との関係をめぐる調査結果に漏れが目立ったのも、茂木幹事長の責任だ。選挙に非常に強い茂木幹事長は、宗教票に頼らざるをえない議員の実情を把握できず、軽く考えていたのだろう。 なお教団との関係が判明した議員の氏名について、岸田首相は全員公表すべきとしたが、茂木幹事長は深い関係を持つ議員に限定することを主張。手間取った挙句、調査洩れが目立ち、追加公表することになって批判を浴びた。