外相&防衛相に〝米国が重大警戒〟あす内閣改造 門田氏「米高官は林氏と距離、高市氏外せば世界に誤ったメッセージ」有本氏「見せかけの友好は通用せず」

2022年08月09日

岸田文雄首相(自民党総裁)が10日に実施する内閣改造・党役員人事を、唯一の同盟国・米国が注視している。岸田首相は、凶弾に倒れた安倍晋三元首相が進めてきた外交・安全保障政策などの「路線継承」を明言しているが、報道される人事情報を見る限り、逆ベクトルも感じられる。最大の焦点は、「政界屈指の親中派」である林芳正外相の処遇と、欧米諸国の信頼を集めていた岸信夫防衛相の後任だ。中国の軍事的脅威が高まるなか、日米同盟は大丈夫なのか。作家でジャーナリストの門田隆将氏と、ジャーナリストの有本香氏に聞いた。 【表で見る】内閣改造、自民党人事 予想される顔ぶれ 「中国は、台湾を包囲する大規模軍事演習で覇権主義をあらわにし、沖縄県・尖閣諸島では日本の主権を連日脅かしている。極限まで『中国の危機』が高まるなか、岸田首相が『親中・媚中人事』を行えば、米国などの信頼を失い、日本は崩壊へ突き進みかねない」 門田氏は、こう語気を強めた。 岸田首相は8日、公明党の山口那津男代表と官邸で会談し、閣僚を含む政務三役の人事について要望を受けた。自民党の関口昌一参院議員会長、二階派の武田良太事務総長らとも面会した。 一部メディアは、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が指摘された閣僚や議員の処遇ばかり話題にしているが、日本を取り巻く安全保障環境が激変するなか、外相と防衛相ポストこそ、最大の焦点といえる。 9日朝時点で、「林氏は留任」「岸氏は健康状態を考慮して交代」という報道が多い。 門田氏は「外相と防衛相ポストは極めて重要だ。ともに『親中派』が就けば、日米同盟は根幹から揺らぐ」といい、続けた。 「安倍氏は、中国リスクを早くから認識して、『自由で開かれたインド太平洋』の戦略を掲げ、ドナルド・トランプ前米大統領をはじめ、世界各国の首脳に本気で訴えた。いまや自由主義諸国の政策となっている。対中包囲網が完成しつつあるタイミングで、自由主義諸国を牽引(けんいん)してきた安倍氏が暗殺された。岸氏は米国などの信頼が厚いが、林氏は『親中派』とみなされている」 確かに、林氏は外相就任まで「日中友好議員連盟会長」を務めていたが、それだけが理由ではないという。 林氏は昨年11月、王毅国務委員兼外相との日中電話外相会談で訪中を打診されたことをテレビ番組で明かし、「米中両方と話ができるのが日本の強みだ」「(訪中の)調整はしていこうと」などと前向きに語った。 「ジョー・バイデン米政権は『林氏は、同盟国と侵略を狙う中国を等距離で語った』と激怒した。直後の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)もオンライン会談になった。アントニー・ブリンケン国務長官と、ロイド・オースティン国防長官、ジェイク・サリバン大統領補佐官は『岸氏には会いたい』というが、林氏とは距離を置いている」(門田氏) 林氏は最近でも、安倍氏の弔問で来日した台湾の頼清徳副総統を「ご指摘の人物」と発言。ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台直前には、「日本政府としてコメントする立場にない」といい、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んでも、「中国側との対話については常にオープン」などと語った。 ジャーナリストの有本氏も「中国が、日本のEEZにミサイルを着弾させるなど、フェーズは激変した。もはや、『見せかけの友好』は通用しない。そもそも、中国との近さを指摘される林氏をあえて外相に据えたことが適切ではない。(林氏が)中国とパイプがあるなら、日中関係は今のような状況になっていない。仮に、岸氏が防衛相を退けばマイナスは大きいが、ご体調が第一だ。交代するなら、後任の防衛相が極めて重要だ」と語った。 現時点で後任候補には、祖父と父が元首相という福田達夫総務会長や、財務官僚OBの寺田稔首相補佐官の名前が出ている。 門田隆将氏「高市氏外せば世界に誤ったメツセージ」 こうしたなか、高市早苗政調会長の処遇が注目される。 高市氏は、安保政策や国家観で安倍氏と近く、昨年の総裁選では支援を受け、その後、政調会長に起用された。安倍政権や菅義偉政権を支えた「岩盤保守層」の支持も厚い。 門田氏は総括する。 「『安倍路線の継承』は、外交・安全保障分野だけでなく、経済財政運営面でも注目される。財務省の意を受けた財政規律派に対し、安倍氏や高市氏は積極財政派として対峙(たいじ)してきた。高市氏を要職から外せば、外交安保・経済財政政策の両面で、世界に誤ったメッセージを発信することになる。『安倍氏不在』で迎える今回の人事で、岸田政権の方向性が明確になる。日本にとって国益が守られるか正念場だ」

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