外貨預金に走る人への警告・将来円高になって元本を失う危険がある

2022年10月30日

 円安が続いているので、資産防衛のために外貨預金をしなければ、と考える人が増えている。そうした人たちに対して警告したい。これは、極めて危険な投機的行動だ。将来、円高になって元本を失う危険がある。 【写真】財務省が円安ブレーキをかける一方で日本銀行はアクセルを踏み続ける

資産防衛のために外貨預金するのは、正解か?

by Gettyimages

 外貨預金への預入が増えている。  新生銀行の外貨定期預金残高は半年間で6割超増え、ソニー銀行では1カ月間の新たな預入額が半年前から8割増えた(日本経済新聞,2022年9月7日)。  外貨預金をする目的としてこれまで言われていたのは、金利収入を増やすことだ。しかし、最近では、資産価値の維持が目的とされているようだ。  つまり、いま外貨預金をしようという人が期待しているのは、今後、長期間にわたり円安が続くこと、そして、円安になっただけ為替差益を得られることだ。  しかし、その期待が実現する保障は何もない。  円安が続く可能性があるが、逆に、いまより円高になる可能性も、以下に述べる理由によって、十分ある。

なぜ円安が進んでいるのか?

 今年になって急激な円安が進行しているのは、日米金利差が拡大しているからだ。  米連邦準備理事会(FRB)はインフレ対策のために利上げをしている。それに対して日本銀行は金融緩和を継続している。  このために、円で資金調達してドルで運用する取引(「円キャリー取引」という)が利益を生む。ヘッジファンドや機関投資家などが、こうした取引を行なっている。これは、円を売ってドルを買う取引であるため、円安が進行する。  この説明は、誤りではない。ただし、不十分な説明だ。なぜなら、金利差があるだけでは、この取引が利益を生むとは限らないからだ。  仮に将来円高になれば、為替差損が発生する。それは、金利差による収入を打ち消す可能性がある。その意味で、円キャリー取引は、きわめてリスクの高い投機的な行動なのだ。  それにもかかわらず、こうした取引が増えているのは、日銀が金融緩和を継続すると明言しているからだ。つまり、将来円高になる可能性は低いと、投機者に約束しているのである。そのため、為替差損が発生する可能性は低いと考えられている。  ただし、上の文章で「将来」と言ったのは、今後数ヶ月の期間についてのものだ。  もっと長期を考えた場合には、日銀が金融を正常化するかもしれない。そうなれば、為替レートが正常な水準に戻り、いまより円高になる可能性がある。


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