外貨預金は「投機」!?

2022年10月08日

今、ある「投機」が日本で大人気です。

なんだと思いますか?

ビットコイン?

転売?

FX?

どれも違います。

答えは...

外貨預金です。

その人気ぶりは日経新聞も取り上げるほど。

出所:日本経済新聞

実際、新生銀行は2022年8月に外貨預金を始めた人の数が

2021年の平均に対してなんと8倍になったと公表。

その他、SMBC信託銀行、ソニー銀行、Paypay銀行などでも

外貨預金の残高が急増しているそうです。

では、なぜここまで人気なのでしょうか?

色々な理由が考えられますが、もっとも大きいと言えるのが...

日本円で貯金をしているよりも

「数千倍の利息がもらえる」から。

例えば日本の普通預金の金利は

メガバンクだと現在0.001%。

100万円を1年間預けて、利息としてもらえる額は10円です。

一方、外貨定期預金だとどうでしょうか?

こちらは先ほどのニュースでも取り上げられていた、

新生銀行の外貨定期預金の金利を表しています。

少なくとも3.50%の利息が期待できるということですね。

つまり、100万円を預けていれば、

利息としてもらえる額は3万5,000円。

メガバンクの普通預金と比較して

3,500倍にもなります。

*ここでは比較しやすいように税金を考慮していません。しかし、普通預金、定期預金とも利息に対して一律20.315%の税金がかかります。

同じようにお金を預けているだけで

何千倍も利息がもらえるならお得ですよね。

人気の理由も頷けます。

しかもこれから円安が進めば進むほど資産が勝手に増える。

でも金融商品には

リターンとリスク

の2つの側面があります。

「利息が多くもらえる」

「円安になれば資産が勝手に増える」

これはリターンの部分。

では、リスクの部分はというと...

主に3つがあります。

1:元本が保証されない

2:いつでも引き出るわけではない

3:為替変動で利息以上の損をするかもしれない

実は外貨預金は

いわゆる預金とは全くの別物。

普通の預金と違い元本保証でもありませんし、

いつでも引き出せる訳ではないのです...

詳しくみていきましょう。

1:元本が保証されない

「預金」と聞くと真っ先に思いつくこと...

それは安心感ではないでしょうか。

大きく資産が増える訳ではないものの

元本が保証されている。

だからインフレで資産が目減りすることはあっても

預金額が減ることはない。

それが預金の魅力ですよね。

確かに、一般的な貯金の場合

ペイオフ(預貯金保険)制度があるので

各銀行口座あたり元本1,000万円までは保護されます。

*ペイオフ制度に加盟している金融機関にお預けの場合に限ります

一方、外貨預金はこの制度の対象外。

万が一、金融機関が破綻した場合

お金が1円も返ってこないリスクがあるのです。

実際、三井住友銀行も次のように

円預金と外貨預金の違いとして

この点を挙げています。

2:いつでも引き出せるわけではない

「預金」のもう1つのメリットは

いつでも引き出せることかもしれません。

投資資金にするもよし、

突然必要になった出費に回すのもよし。

預金と言えば、そんな「いざというときの備え」ですよね。

ですが、外貨定期預金の場合はそうではありません。

これは先ほどの新生銀行の外貨預金の表ですが、

上に1年、2年、3年、5年といった数字がありますよね?

これはその期間まで預ける必要があることを示しています。

例えば3年の外貨定期預金を始めると、

3年後の満期を迎えるまで預金したお金は使えません。

1年後に円安が解消されて円に戻したくても...

お金が必要になって円に戻したくても...

もちろん中途解約をすれば使えるようになりますが、

その場合、当初の利息はもらえないことが多いです。

3:為替変動で利息以上の損をするかもしれない

外貨預金のリターンは、「高い利息が得られること」

そして今後、「円安が進めば勝手に資産が増えること」

でした。

ですが、今後円安になるか、円高になるかによって

利息以上の損をしてしまう可能性があるのです。

ここで押さえておくべきなのは

基本的に金利以上に為替は変動しやすいという特徴。

例えば、2022年の初は1ドル=114円でした。

一方、現在は1ドル=144円程度を推移しています。

つまり30円も変動しているわけですね。

そして、もし年初来の水準に戻った場合、

資産は21%減少するということになります。

例えば、100万円を1年間外貨定期預金をしていた場合、

4%の利息が入って4万円のプラス。

ですが、そのドルを円に変える時に21%マイナスになるので

現在の100万円が79万円に。

結果、利息を合わせても100万円が83万円となり、

マイナス17万円となってしまうのです。

4%の利息をもらうために、

その約5倍にあたる21%の為替損をしてしまったら

元も子もないですよね。

もちろん、今後為替がどう動くかは予測できませんが、

「円安」が解消されると利息分以上の損をすることがあるのは注意です。

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いかがでしたでしょうか?

まとめると、外貨預金は高い利息が期待でき、

今後円安が進めば資産が増える一方、次のようなリスクがあります。

1:元本が保証されない

2:いつでも引き出るわけではない

3:為替変動で利息以上の損をするかもしれない

「預金」というと

・元本保証

・いつでも引き出せる

というイメージが一般的ですが、

これらのない全くの別物。

貨幣自体に本質的な価値はなく、

為替の差によって儲ける外貨預金。

これは「投機」に近いと言えるでしょう。

「リターンとリスクが両方存在する」

もちろんこれは投資においても言えることです。

例えば米国の配当株であっても、リスクは存在します。

・買収される

・株価が下落する

・配当額が減る、ストップする

などですね。

大事なのはそのリスクを認識して、

適切に対処を行うこと。

DR straightでは代表的なリスク管理手段として

・1銘柄に全投資資金の4%以上を注ぎ込まない

・株価が25%以上下がったら、機械的に損切りをする

というものをご紹介しています。

これにより、1銘柄当たり損失を最大でも1%...

100万円のうち、1万円に抑えるというものですね。

これも、どれだけ過去優良な株であっても

将来どうなるかわからないというリスクを持っているためです。

もしあなたが既に資産形成を進められている場合

今一度、リターンとリスクを整理してみてもよいかもしれません。

外貨預金という資産を増やすための手段が普及するのはいいことです。

ですが、日本で投資があまり進まない中、

外貨預金だけが今急速に広まっているのは

「リターンの部分ばかりが注目されているかも?」

と思い取り上げました。

「預金」というネーミングだと、

ノーリスクのイメージがありますからね。

外貨預金、投資信託、個別株投資など

さまざまな資産形成の手段はありますが、

「リターンとリスクが両方存在する」のは共通しています。

当たり前過ぎることですが、

リターンとリスクどちらも押さえた上で

大事な資産を運用していきましょう。

良い投資を!

P.S.

再三にはなりますが、

全ての投資にはリスクが伴います。

Oxford インカム・レターでは

配当株投資の専門家であるマークさんが

・配当が減るリスク

・株価が下落するリスク

・政治や外交によるリスク

などを踏まえた上で、

今持っておく価値のある

米国株を毎月紹介しています。

もちろん、盲目的に信じれば

確実に資産が増えるものではありません。


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