安倍氏の葬儀、岸田首相らが参列 政財界の要人、外国政府関係者も
2022年07月13日
参院選の遊説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の葬儀が12日午後、東京都港区の増上寺で営まれた。近親者による「家族葬」として執り行われたが、岸田文雄首相や経団連の十倉雅和会長、台湾の頼清徳副総統ら安倍氏にゆかりのある政財界の要人や外国政府関係者らが参列した。
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葬儀で弔辞を読んだ自民党の麻生太郎副総裁は「外交についてセンスと胆力で、国際社会での日本の存在を高めた。戦後最もすぐれた政治家だ」と語った。麻生氏は「(安倍氏と)冗談を言いながらゴルフをやり、大いに酒を食らった。楽しい思い出ばかりだ」と振り返り、「あんたが私の弔辞を読むことになっていたんじゃないのか。大変つらい」と話した。
妻昭恵さんは喪主のあいさつで、「これほど優しい人はいなかった。いつも私のことを守ってくれた。政治家としてやり残したことはたくさんあったと思うが、種をいっぱいまいているので、それが芽吹くことでしょう」と話した。昭恵さんは出棺前、安倍氏のひつぎに花を手向け、数分間頰ずりをしていたという。
葬儀後には安倍氏のひつぎを乗せた車が永田町を通過した。自民党本部前には茂木敏充幹事長ら党幹部が並び黙とうをささげた。
官邸前では岸田首相や松野博一官房長官らが葬列を迎えた。車は10秒間停車し、首相らは手を合わせた。国会前では与野党議員が並び、昭恵さんが助手席から何回も頭を下げていた。
沿道には多くの市民が詰めかけ、「安倍総理、ありがとうございました」との声が飛んだ。
後日、安倍氏の地元・山口県と東京でお別れの会も開かれる予定。【東久保逸夫】