年間1億本売れた”あの商品”の今…
フラフープです。
もしかしたら、
あなたも一度はこれで遊んだことが
あるのではないでしょうか?
今では遊んでいる人をあまり見かけないこのフラフープも
一時期、全米で大ブームを起こしていました。
それは、遡ること1958年。
フラフープはアメリカのおもちゃメーカーである
ワムオー(Wham-O)社の
創設者であるネルとメリンにより広められました。
彼らは元々、オーストラリアの体育の授業で使用されていた
竹の輪に注目し、それを元に
プラスチック製のフラフープを作ったと言われています。
そして、1958年に発売が開始。
瞬く間にフラフープの人気は広がり、
1年間で約1億個も売れる
大ヒット商品になりました。
当時のアメリカの人口が
約1億7,000万人でしたから、
国民の約58%がフラフープを
持っていたという計算になります。
このアメリカの大ブームが派生し、
日本でも翌年に販売が開始され、
発売1ヶ月で80万本売れたと言われています。
ただ、このブームはあっけなく
終わりを迎えることになるのです...
フラフープを長時間熱中して、
内臓疾患を起こす事例などが発生。
また、「腸捻転になる」等の噂がたち、
急速に売行きが落ち、販売わずか40日間で
そのブームは終了してしまったのです。
また、アメリカ国内でも同様に、
発売当時の勢いはなくなり、
数年後にブームが終わることになりました...
過去を振り返ってみると、
フラフープのように「爆発的に売れたもの」は
一過性のブームに終わることが多い傾向にあります。
例えば、直近の例で言うと
タピオカ店もその一つではないでしょうか。
あなたも街を歩いていると、
至るところにタピオカ店があり、
店舗前に行列ができているのを
見たことがあったかもしれません。
ただ、2020年後半からその勢いに
陰りが見え始めます。
実際、『日経MJ』の調査によると
「タピオカの聖地」と言われた東京・原宿には
2020年2月時点で26店のタピオカ店がありましたが...
10月時点で12店が閉店。
わずか8ヶ月で約半数の店舗が
閉店に追い込まれたのです。
また、2021年に入ってからは
コロナウイルスの影響もあり、
メディアでも
「タピオカの終焉(しゅうえん)」「タピオカブーム下火に」
といったようなタイトルの記事を
よく見るようになりました。
一方、少しずつ土台を形成しながら、
徐々に売上を伸ばした企業は違います。
例えば、Windowsを提供しているマイクロソフト。
マイクロソフトが年商1億ドル(約147億円)*になるまでに、
創業から14年の年月を要しました。
*2022年10月14日時点の為替レートを使用。
ただ、マイクロソフトは今や
年商約2,000億ドル(約30兆円)の
巨大企業になっています。
*2022年6月期決算時。
2022年10月14日時点の為替レートを使用。
また、アメリカの大手スーパーの一つ
ウォルマートもそうです。
この企業も年商1億ドル(約147億円)を突破するまで
14年の長い年月を要しましたが、
今や年商約5,700億ドル(約84兆円)と
世界最大級のスーパーになっています。
*2022年1月期決算時。
2022年10月14日時点の為替レートを使用。
これを見ると、
企業が長期的に成長し続ける上では
一過性のブームではなく...
少しづつ売上を伸ばして、
成長していくことが大切だとわかりますね。
そして、私たちが投資をしていく上でも、
このような視点を持つことが大切ではないかと思います。
例えば、一時のブームに乗っかり
投資をすると痛い目を見る可能性があります。
仮想通貨などがいい例ではないでしょうか。
およそ1年前の2021年10月時点、
価格は約750万円でした。
一方、現在はというと...
価格が約270万円まで落ちてしまっています。
もし、1年前にブームに乗って
購入していた人の中では、
大きな損を出した人もいたかもしれません。
一方、企業の個別株へ投資をして
「この企業の株、購入したのはいいけど全然株価上昇しないな」
そんなことを感じていたとしても、
マイクロソフトやウォルマートのように
徐々に売上を伸ばして
将来的に大きく株価が上昇するかもしれません。
もちろん、「ブームに乗って投資をしてはいけない」
ということはではありません。
ただ、もしあなたが、
当たれば大儲け、外せば大損のような
ギャンブル投資家になりたいのではなく、
長期的に資産を大きくさせていきたい
賢明な投資家になりたいのであれば...
ブームになっている時は冷静になって
投資をしていくことが大切ではないでしょうか。