日本の国力衰退で聞こえる習近平氏の高笑い 国債発行を排除 デフレ脱却できないまま「緊縮財政」と「増税」防衛費増額分を捻出

2022年12月20日

【お金は知っている】 岸田文雄首相が「防衛力強化」「防衛費増額」の財源として、安倍晋三元首相が提示した国債発行などを排除して、財務省主導の「増税」方針に固執していることへの批判が止まらない。閣内や与党内、財界だけでなく、ネット上でも「岸田増税」への怒りの声が噴出している。自民党の税制調査会は14日、非公式の幹部会合で、復興特別所得税と法人税、たばこ税の3税を税制措置(増税)の対象とする方針を確認したが、コロナ禍からの回復に必死な国民や企業を痛めつけるのか。産経新聞特別記者の田村秀男氏は「岸田増税」を強行すれば、日本の国力衰退を招き、中国の習近平国家主席(総書記)が高笑いすると喝破した。 【グラフでみる】日本国民の平均年収推移 岸田政権は月内に国家安全保障戦略など「安保3文書」を改定する。中国に関しては、「(国際秩序への)最大の戦略的な挑戦」と記し、これまでの「国際社会の懸念」にとどめていた対中認識を米国並みに近づける。 中国の習主席(総書記)による独裁体制が「異例の3期目」に入り、「台湾併合」など対外膨張策をエスカレートさせかねない状況のもと、当然だが、問題は中身だ。 古来、中国の支配層は言葉を政治手段とし、息を吐くように噓を並べ立てることがならいだ。彼らが真に気にするのは、あくまでも言葉を裏付ける実体、つまり軍事力のはずである。 グラフはドルベースの中国の国防費と国内総生産(GDP)を、日本のそれぞれと比べた倍率である。国防費は2006年に、GDPは10年に日本を抜き去り、いずれもぐんぐんと日本を引き離している。21年では国防費は5・4倍、GDPは3・6倍である。 日本は1976年11月に三木武夫政権によって防衛費を国民総生産(GNP=GDP+海外所得)比1%以内とする枠を決めた。86年12月に中曽根康弘政権が撤廃したものの、2020年度までは、ほぼ一貫してGDP比1%以内に抑え、21年度は補正予算後に同1%を若干上回った。 母数となる名目GDPは1990年代後半から始まった慢性デフレのために、現在までほとんど増えていない。従って防衛費も横ばいのままである。 対する中国の軍事費のGDP比は2003年以降2%以内で、21年も1・73%だが、GDPが高成長を続け、軍事費の膨張を支えてきた。 日本はGDP1%の墨守とGDP低迷のために、軍事力で中国に大きく水をあけられたことになる。「中国の脅威」なるものは、日本側の防衛に関する認識の甘さと、デフレ圧力、ゼロ経済成長を招く増税、緊縮財政という「政策の失敗」が招いたとも言える。 そして今、安保3文書の改定で、中国の脅威に対処しようとする。 防衛費を2027年度までに、現在の「GDP比2%以上に増額」というのが岸田政権の方針である。防衛費以外の財政支出を切り詰め、なおかつ足りない部分を「増税」に頼るという。基本的な考え方は、あくまでも「均衡財政路線堅持」で、従来の延長である。 繰り返すが、日本経済は25年以上の間、GDPが増えない。その背景はデフレにあり、「脱デフレ」は果たせないままだ。GDP全体の物価指数であるGDPデフレーターは21年度以降、今年7~9月期まで前年比マイナスに落ち込んでいる。 ところが、岸田政権はデフレが続くなか、「緊縮財政」と「増税」で、防衛費増額分を捻出するという。これでは、自ら「国力の衰退」を招いてきた四半世紀にも及ぶ財政政策を繰り返すことになる。 安倍晋三元首相は生前、防衛力増強の財源について、「防衛国債」の発行を提起していたが、岸田政権は均衡財政主義の財務省の画策通り、国債発行を否定した。習主席の高笑いが聞こえるようだ。 ■田村秀男(たむら・ひでお) 産経新聞社特別記者。1946年、高知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後の70年、日本経済新聞社入社。ワシントン特派員、米アジア財団(サンフランシスコ)上級研究員、日経香港支局長などを経て、2006年に産経新聞社に移籍する。著書・共著に『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店)、『経済と安全保障』(扶桑社)、『日本経済は再生できるか「豊かな暮らし」を取り戻す最後の処方箋』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

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