日経平均は続落、米株安を嫌気、米CPIを前に模様眺めに
[東京 10日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比270円33銭安の2万7446円10銭と、続落して取引を終えた。米株安を嫌気して安く始まった後は、米消費者物価指数(CPI)の発表を前に投資家の様子見姿勢が強まった。
日経平均は200円超安で始まった。前日の米国株安が嫌気され、値がさ株を中心に幅広く売られて一時340円超安に下落した。米国市場では、中間選挙で野党・共和党が市場の予想ほど躍進しなかったことが重しとなった。暗号通貨が下落したことも、投資家心理を冷やした。
米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の下落を受けて半導体関連株や電子部品などハイテク株でさえない銘柄が目立ったほか、指数寄与度の大きいファーストリテイリング、ソフトバンクグループも軟調だった。
米CPIの発表を控え、日経平均はきょうの安値圏での値動きが続いた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が今後の利上げ幅についてデータ次第との姿勢を示しているだけに、CPIが市場予想を上振れた場合、米金融引き締め長期化の思惑からドル高・米株安になりかねないと警戒された。
一方、日経平均は指標発表を控える中で前日ときょうで続落しており、市場では「CPIの発表後に米株安となっても、ある程度は吸収可能ではないか。よほどのネガティブサプライズがなければ、押し目の好機になり得る」(ピクテ・ジャパンの糸島孝俊ストラテジスト)との見方も出ていた。
TOPIXは0.66%安の1936.66ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.66%安の996.56ポイントで取引を終了。プライム市場の売買代金は3兆0812億8500万円だった。東証33業種では、値上がりはパルプ・紙や食料品、銀行業など10業種で、値下がりはゴム製品や石油・石炭製品、輸送用機器など23業種だった。
決算を材料にした個別物色が引き続き活発で、見通しを上方修正しながらも市場予想には届かなかったホンダや、予想を下方修正したクボタが売られた。一方、業績予想の上方修正を発表した鹿島や川崎重工業は買われた。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが620銘柄(33%)、値下がりは1141銘柄(62%)、変わらずは76銘柄(4%)だった。