日銀、長期金利の変動幅を拡大「プラスマイナス0・5%」に…事実上の利上げ
2022年12月20日
日本銀行は20日の金融政策決定会合で、長期金利を0%程度としている金利政策について変動幅を拡大した。従来の「プラスマイナス0・25%」から「プラスマイナス0・5%」とした。事実上の利上げとなる。短期金利はマイナス0・1%を維持した。
国内の物価上昇率は日銀の目標2%を上回るが、資源高が主因で、企業の価格転嫁や家計の所得改善が追いついていない。金融緩和で景気を下支えしつつ、金融市場に配慮したとみられる。日銀は今回の修正で、「金融緩和の効果が、企業金融などを通じ、より円滑に波及していく」としている。
日銀は安定的な物価上昇を伴う持続的な経済成長を目指している。国内消費者物価の上昇率は4%に迫るが、日銀は「来年には1%台に戻る」との立場だ。企業収益の改善と賃金上昇の好循環が定着するまで金融緩和を続ける。黒田東彦(はるひこ)総裁は20日午後、記者会見する。