日銀は“黒田総裁のメンツ”最優先 市場崩壊も「異次元緩和」継続か…注目の金融政策決定会合

2023年01月17日

日銀と市場との攻防が激しさを増す中、17日と18日、日銀の金融政策決定会合が開かれる。異次元金融緩和の継続か、修正か──。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「(修正の可能性は)五分五分に近い」との見方を示している(14日付日経新聞)。足元の市場のゆがみは深刻でマーケットはさらなる修正を催促しているが、なぜか、日銀の腰は重い。 初の女性総裁誕生か?岸田首相が画策する日銀トップ"サプライズ人事"と政権浮揚シナリオ  ◇  ◇  ◇  10年国債は先週末に続き、16日も日銀が上限とする0.5%を上回った。決定会合で事実上の利上げに踏み切るとの思惑が強まり、今後の金利上昇(国債価格は下落)を見込んだ投資家が国債を売りまくっているのだ。  日銀は16日も2.1兆円の臨時の国債買い入れで対抗。これで今月の国債購入額は17兆円規模に達し、過去最高を更新した。それでも投資家の売り圧力が収まる気配はない。 「国債は償還年限が長いほど利回りが高くなります。いま、残存8~9年の国債利回りは0.6~0.7%で、10年国債の0.5%を大きく上回る"逆転現象"が起きている。10年国債の利回りを基準とする社債の発行にも支障を来している。足元の債券市場は昨年12月の決定会合前と同様、あるいはそれ以上に機能しなくなっています」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)  前回の決定会合で、黒田総裁は「市場機能がやや大きく損なわれる状況がこの秋以降出てきた」として、長期金利を一定の変動幅に抑えるYCC(イールドカーブ・コントロール)の上限金利を0.25%から0.5%へと事実上の"利上げ"を行った。この理屈に従えば、さらなる修正が自然だろう。

政策の整合性はムチャクチャ

追加の修正となれば、黒田総裁のメンツ丸つぶれ(日銀の金融政策決定会合)/(C)共同通信社

 ところが、日銀内では、今回はYCCの変動幅のさらなる引き上げや撤廃は行わないとの意見が多いという。 「前回の修正は断固反対の黒田総裁を事務方が粘り強く説得し、何とか実現できたようです。早くも今回、追加の修正となると、さすがに黒田総裁のメンツは丸つぶれです。多少の運用見直しはあっても、今回は緩和維持との見方が有力です」(金融関係者)  前回の"サプライズ利上げ"のように、今回の現状維持は市場を裏切るものだ。YCCをそのまま続ければ、国債市場の混乱が長期化するからだ。 「12月の企業物価指数は予測を上回る10%超でした。全国の消費者物価指数も4%程度が見込まれ、金利の上昇圧力はさらに強まります。そんな中、10年国債の上限金利を0.5%に抑え込めば、国債市場はますます混乱する。今回、YCCを維持した場合、記者は黒田総裁に前回との整合性について聞いてほしい。おそらく、マトモに答えられないでしょう」(森岡英樹氏)  黒田総裁は9月の会見でYCCの変動許容幅の拡大は金利の引き上げに当たるとの認識を示していたが、前回の会見では「利上げではありません」と言い張った。  黒田総裁のメンツが優先され、整合性などそっちのけ。18日の決定会合後の会見で黒田総裁はどんな説明をするのか。

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