日銀ショック受け投資家は円相場見通し修正-120円超える円高予想も
(ブルームバーグ): 日本銀行の予想外の政策修正を受けて、日銀がついに超緩和的政策から脱却するとの観測が台頭し、投資家の間には円がここからさらに10%上昇するのではないかとの見方も浮上している。
ジェネラリ・インベストメンツによれば、割安なバリュエーションを踏まえれば、円は1ドル=120円もしくはそれよりも上昇する可能性がある。ユニオン・インベストメント・プリバトフォンズは短期的に125円への上昇を見込み、ソシエテ・ジェネラルは日銀の決定を受けて海外のファンドによるヘッジの動きが広がり、向こう1カ月に円が押し上げられる可能性があると予想する。
円は20日、日銀が10年国債利回りの上限を0.5%とこれまでの0.25%から引き上げたことを受けて一時4.8%上昇した。米連邦準備制度の利上げ観測の後退で、円は10月に付けた安値からは既に回復していた。
ジェネラリ・インベストメンツのマクロ・マーケット調査責任者、トーマス・ヘンペル氏は「円は基本的にまだ非常に安い」とした上で、「当社の想定通りに米金融当局が2023年終盤から24年にかけての利下げサイクルを開始すれば、120円付近で落ち着くか、さらに円高が進む公算が大きい」と述べた。
シュローダーは、日銀が利上げで世界の大半の中央銀行に加わるのは時間の問題との見方から、円を買うと同時に日本国債をショートにしている。パインブリッジ・インベストメンツとフィデリティ・インターナショナルも円に強気だ。
アシンメトリック・アドバイザーズのシニアストラテジスト、アミール・アンバーザデ氏は「円は来年、最も強い通貨の一つになる可能性が高い」として、夏までに1ドル=120円かそれ以上の円高が進むだろうと予想した。
ユニオン・インベストメントの債券責任者、クリスチャン・コプフ氏も円の上昇を見込んでいるが、「短期的にドル・円の適正水準は125円前後」との見方だ。「日米の金利差のさらなる変化がない限り、円がその水準より高くなるとは考えていない」と語った