日銀黒田総裁の「バッドサプライズ」で市場が激変。円高をはじめ、2023年のマーケットは新局面が到来。不安になる必要はない。チャンスと捉えて備えよ!

2022年12月28日
  • まさかのバッドサプライズ。黒田総裁は「黒いサンタクロース」?   ドイツでは、通常のサンタクロースに加えて、悪い子供を懲らしめる「黒いサンタクロース」が同伴するという伝統的風習がある。先週火曜日に行われた日銀金融政策決定会合の中身を見て、日銀の黒田東彦総裁はやはり個人投資家を懲らしめる黒いサンタクロースだったと言えよう。  日銀による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)を「0%から±0.25%」から「0%から±0.50%」へと変更し、従来の大規模金融緩和を修正した。事実上の利上げ宣言である。黒田総裁の任期中である2023年4月までは大規模金融緩和を継続するというのが市場のコンセンサスだったため、大きなサプライズをもって受け止められ株式市場は急落した。日経平均は一時800円以上値下がりした。 ●最大の問題は「市場との対話」を無視した日銀黒田総裁の姿勢にある  米連邦準備理事会(FRB)が政策金利をどんどん引き上げている米国市場において今年はナスダックが一番悪影響を受けたのと同様、今回の日銀の政策変更で日本においても小型グロースの割高感が意識され、マザーズ市場は5%近い下げとなった。  日銀による大規模金融緩和の突然の修正を目の当たりにして、私が一番まずいと思ったのが「市場との対話」を全く無視した中央銀行総裁の姿勢である。金融政策を大きく変更するにあたっては、それを実行する数か月前から金融政策のフォワードガイダンス(先行きの指針)を示すことで市場の混乱を避け、事前に地ならしをしていくことが世界の常識だ。FRBのパウエル議長の姿勢を見て欲しい。  黒田総裁は一貫して「大規模金融緩和を根気強く続けていく」「修正することは考えてもいない」とコメントし、YCCの上限0.25%をキープすべく10年物国債を指値オペにて無制限に買い入れをするという手段まで講じてきた。それが突然の手のひら返しであり、マーケットにとっては暗闇からの不意打ちとなった。株式市場の急落のみならず、長期金利は急上昇、為替は一気に円高になった。 ●金融政策変更は経済正常化を進める上で不可避。早く実行すべきだった  さらに、黒田総裁は記者会見の席において「今回の措置は金利の引き上げでは全くない」「金融引き締めでは全くない」と繰り返し、「景気には全くマイナスにならない」とコメントして我々を戸惑わせた。この説明は説得力を大きく欠いていると言わざるを得ず、「一体どういうことですか、これは? 」というのがマーケット参加者の正直な気持ちだと思う。  黒田氏が日銀総裁に就任したのは2013年3月。デフレ脱却を目指して大規模な金融緩和を打ち出して約10年。低金利の常態化で日本経済の新陳代謝は停滞しており、YCCの修正を含めた金融政策の変更は経済正常化を進める上で避けては通れない道だった。しかし、実行するならそのタイミングはもっと前だったはずだ。海外の投機筋の債券売りに屈したのか、それとも次の日銀総裁の引き受け手がなく、それを打開するための事前準備なのか、真相はわからない。でも、まさか黒いサンタクロースが日銀からやって来るとは...。私は本当に驚きました(笑)。 ●円安は一気に解消され、円は急騰。2023年は125円を超える円高も  一時は151円台まで進んだ円安・ドル高であるが、今回の件を受けて円の先高観が非常に強まっているようだ。政策変更前の137円台から一瞬で130円台まで円高が進んだ。さらなる金融政策修正の思惑も当然ながら意識されており、海外の投機筋のヘッジファンドなどは円売り・ドル買いの持ち高解消を進めている。2022年は米利上げ減速を手掛かりにした「ドル売り・円買い」がテーマだったが、2023年は日銀による一段の金融政策の推し進めによる「円買い・ドル売り」の構図になる可能性がある。市場では「投機筋の円買いが本格化し、125円を超える円高が進む可能性がある」との指摘も。景色は一瞬で変わるものである。  さて、私がDFR(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ)で投資助言をおこなっている「勝者のポートフォリオ」では、今回の件を思いがけないチャンスとして捉えている。来年の金融相場を見据えた投資戦略にとっては、これまで中途半端な上昇機運にあった小型グロースがここで大きく売られることにより、より低水準で買えるチャンスが出てきたからだ。「来たるべき金融相場に備えて」はまだ第1弾の買い出動しかしていない、「シメシメ...」である。 ●今回の急落はチャンス! 次の金融相場に備えた「仕込み」の好機になる  足元のマーケットの動きはかなり投機性が強い面もあるが、徐々に落ち着くとみられる。今は相場動向を冷静にウォッチして、2023年の投資戦略をじっくりと練る良い機会だと捉えたい。米国はすでに金融引き締めの最終的局面に入っている。「だんだんチャンスが到来してきた...」と思わなきゃ、である。不必要に不安になることはない。いやぁ、2023年は面白くなりそうです。  金融相場の到来はまだ先の話ではあるものの、そんな中でも私が助言する「勝者のポートフォリオ」は2022年の最終月である12月は、月間で最もベンチマークをアウトパフォームしそうな勢いになっている。ガッチリと組み込んだ金融株は急騰して連日の年初来高値となっており、インバウンド関連も貢献している。さらに比較的手厚いキャッシュも味方となっている。12月23日現在、TOPIXに対してちょうど200bpのアウトパフォームである。ちなみに2021年10月からの運用開始以来の累計パフォーマンスは+1.0%である(同期間のTOPIXは-6.5%、日経平均は-10.9%、マザーズは-37.3%)。 ●2023年のマーケットと投資戦略を展望する新春セミナーを1月4日に開催  さて2023年1月4日水曜日の20時より「新春Webセミナー」を開催する。テーマは『2023年のマーケット展望と投資戦略』。2023年のマーケットを展望しつつ、投資する際の注意点、2023年に繰り出す予定の投資戦略、そして大きなリターンが期待される個別銘柄についてもバッチリお話したい。会員限定だが10日間の無料お試し期間中でも参加可能だ(セミナー当日14時までのお申し込み、15時にURLを配信)。2022年10月以降、申し込みが急増しており、前向きな個人投資家の方々の投資意欲の高まりを実感している。2023年に大きく飛躍されたい方々の多数のご参加をお待ちしている。さあ、真の「勝ち組投資家」を皆で目指しましょう。  ●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもメルマガ配信などで活躍。
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