日銀ETF買い入れ見直し、実質削減効果は限定的-中央大・原田教授

2022年11月01日

(ブルームバーグ): 日本銀行が上場投資信託(ETF)の保有コスト抑制を目的に買い入れ方法を見直すとしたことについて、中央大学商学部の原田喜美枝教授は、実質的な効果は限定的との見方を示した。

日銀は10月28日の金融政策決定会合で、ETF購入政策について、12月からは原則として信託報酬率が最も低い銘柄を買い入れる運営に変更すると発表した。ETF保有に関する費用を引き下げるのが狙い。

日銀企画局によると、1回あたり700億円程度のETFを買い入れた場合、今回の見直し後は年1600万円程度の削減効果となる見込み。ちなみに昨年度のETF信託報酬の負担額は概算で600億円程度だったという。

原田教授はブルームバーグとのインタビューで、日銀の見直しで「信託報酬が減り国庫納付が増える」メリットはあるものの、「信託報酬が低いETFの買い入れは新規のみで、信託報酬が高い保有ETFの既得権益は手つかずのまま」だと指摘した。同教授はかねてETF信託報酬について問題点を指摘しており、コストを本格的に削減するなら、既保有のETFも対象とすべきだと主張する。

保有するETFのうち時価総額上位の大手ETFの信託報酬率はおおむね0.06%台-0.08%台である一方、例えば「iシェアーズ・コアTOPIX ETF」(信託報酬率0.045%)など低いものもある。既存分に手を付けないと時価総額の小さなETFが日銀の買い入れ対象に採用されようとして信託報酬を下げるなど「運用業界にとってよりいびつな体力勝負をもたらすのではないか」との懸念も示した。

(c)2022 Bloomberg L.P.

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