李克強首相が完全引退へ 次期指導部に名前なし、「習氏1強」を象徴
2022年10月22日
2022年10月16日、北京の人民大会堂で開かれた中国共産党大会で開会を宣言する李克強首相=新華社
中国共産党ナンバー2で政権の要である李克強(リーコーチアン)首相(67)が党最高指導部から退くことが決まった。来春に完全引退する見通しだ。22日に閉幕した第20回党大会で新たに選出された中央委員に李氏の名前がなく、最高指導部に残る可能性がなくなった。習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)が3期目続投を確実にする中での李氏の退任は、「習1強時代」を象徴する人事となる。 【写真】名簿から消えた名前 一方、退任とみられていた人が... 李氏は河南省や遼寧省のトップを経て、2007年に習氏とともに党最高指導部である政治局常務委員会に入った。習政権発足後はナンバー2の首相として、行政のかじ取り役を担ってきた。 中国憲法は首相の任期について、「2期10年まで」と定めている。13年に首相に就いた李氏は、来春の全国人民代表大会(全人代)で首相から退くことが決まっている。 ただ、67歳の李氏は「党大会の年に68歳以上であれば引退する」との党内規の定年には達していない。このため、最高指導部にとどまったまま全人代常務委員長など別のポストに就く可能性が取りざたされていた。 だが、22日の党大会閉会後に公表された中央委員の名簿に李氏の名前はなかった。政治局常務委員会メンバーは中央委員の中から選ばれるため、李氏が党最高指導部に残る可能性が消えた。69歳の習氏は中央委員に選出され、総書記を続けることが決定的になった。