株式市場にも悲観論 ロシアからの輸入を止められない米国のジレンマ

2022年08月31日

 再び悲観論が米国株市場を支配し始めているようだ。8月26日のNYダウは▲1008ドル(▲3.02%)の急落、週明けの29日も▲184ドル(▲0.57%)下落した。この1か月ほどの株価の動きを振り返ってみると、8月16日の場中で記録した3万4281ドルが戻り高値であり、29日の終値は3万2099ドルで、高値から6%下落した水準だ。

 急落の要因は、連日マスコミによって伝えられている通り。パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長が26日のジャクソンホール会議で講演、「早すぎる緩和には大きなリスクがある。インフレ退治には苦痛が伴うだろうが、それでも利上げを続ける」などと発言したことで、8月中旬までの戻り相場のよりどころとなっていた"2023年にも緩和政策に転じるのではないか"といった期待が大きく後退、それで急落したのである。

 完全にインフレを抑え込まない限り、金融政策の転換はありそうにない。金融政策の転換がない限り、経済への下押し圧力は加わり続け、投資家の悲観は解消されない。つまり、株価の先行きを予想するには、今後、米国のインフレが収まるかどうかが極めて重要である。

 日本のメディアは米国政府への配慮が働くのであろうか、当局にとって都合の悪いニュースは相対的に少ないといった情報の非対称性があるように思う。一方、中国メディアにはそうしたところがない。

 25日にAP通信が伝えたニュースとして、中国中央テレビ局は27日、〈"米国は依然としてロシアから大量の輸入を行っている"ことを米国メディアが暴露〉と題して、米国の"不都合な現実"について説明している。これは現在のインフレが如何に深刻であるかを物語る貴重なデータである。

 米国はロシアに対して経済制裁を加え「壊滅的な打撃をあたえる」と公言したが、一方で、「自らの利益のために、多くの領域で依然としてロシアから輸入を続けており、その品目数は100に及ぶ」としている。

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