為替介入が円のボラティリティー増幅、予想変動率より大幅上振れ

2022年11月01日

(ブルームバーグ): 円相場の急変動を抑えるための為替介入がむしろ相場の変動率を高めている。政府・日本銀行が円買い介入を繰り返す中、円の変動率が市場予想を上回る場面が見られている。

通貨オプション市場では、政府・日銀が24年ぶりに円買い介入に踏み切った9月22日に、過去1週間の価格変動に基づくドル・円のヒストリカル・ボラティリティー(HV)が急上昇し、先行きの相場変動の予想を示す1週間物インプライド・ボラティリティー(IV)とのかい離が2019年以降で最大となった。10月も覆面介入の可能性が指摘された21日から24日にかけてHVが急伸し、IVを上回った。

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、「介入するからにはドル・円の押し下げが目的となるので、ある程度の値幅をやらなければならないので仕方ないが、ドル・円を抑えるための介入がボラティリティー自体の押し上げの力になっているのは事実だ」と指摘。「介入が入ったときの値幅を見越して、予想変動率も高止まりしている」と話す。

通貨当局は円買い介入を行う理由として、投機による過度な変動を抑えるためと説明してきた。急速な円安は輸入価格を押し上げ、家計や企業収益を圧迫している。日銀の黒田東彦総裁も金融緩和の維持を決めた後の10月28日の会見で、急速かつ一方的な円安進行は「先行きの不確実性を高め、企業の事業計画策定を困難にするなど、わが国経済にとってマイナス」との認識を示した。

財務省の統計によると、10月(9月29日-10月27日)の円買い介入額は6兆3499億円で、月次ベースの円買い介入としては9月の2兆8382億円を超えて過去最大だった。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは10月の介入額について、「若干小さめという印象だが、21日だけでなく何回かやっていた金額」とみる。その上で、9月の介入額と合わせても外貨準備の5%程度に過ぎず、「金額面ですごい制約が強まっているということはない」とし、今後も150円を超えて円安が加速する局面では「大規模介入をしてもおかしくない」と予想する。

© 2009 Dr. straightのヘルスケア&リラクゼーションのブログ。 by https://www.stosakaclinic.com/
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう