甘える市場に「とどめの一発」 FRB議長「タカ派」鮮明に ジャクソンホール会議

2022年08月27日

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は26日に行った講演で、金融引き締めを継続する「タカ派色」を鮮明にした。金融市場にはびこる早期利下げ観測は蹴散らされ、この日の米国株は急落、米長期金利も一時急騰した。インフレ退治への決意がはっきりした一方、家計や企業を痛める可能性への覚悟が示されたことで、景気後退リスクへの警戒も強まった。 市場では7月中旬ごろから、FRBが来年前半にも利下げに転じるとの期待が広がり、長期金利の低下につながった。市場の甘えを打ち消そうと、FRB高官は相次いでタカ派寄りの発言を繰り返してきた。 利上げが長期間にわたる可能性を示したパウエル議長の講演は「利下げ観測つぶしのとどめの一発」(第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト)となった。株価は急落したものの、米国では株式など資産価格の上昇もインフレの一因との見方が出ており、藤代氏は「パウエル議長は市場に臆することなくモノを言った」と評価する。 FRBは7月の連邦公開市場委員会(FOMC)まで4回連続で利上げし、直近2回については通常の3倍ペースとなる0・75%の利上げを断行した。それでも米国の消費者物価は約40年ぶりの高水準が続く。 次の焦点は次回9月20、21日のFOMCへと移る。利上げ幅について、パウエル議長は「データ次第」と述べたが、市場は「3回連続で0・75%利上げする」との見方に傾きつつある。 米国の金融政策が他国・地域の経済や市場に与える影響力は強大だ。異例のハイペースの利上げは景気後退リスクを伴う。 大規模な金融緩和を続ける日本との関係では、金利差拡大を意識した投資家が運用に不利な円を売って、ドルを買う動きを強めることにつながり、円安ドル高の要因となる。27日昼の円相場は1ドル=137円台半ばと円安に傾いている。 円安には輸出企業の業績を押し上げるなどプラスの側面がある一方、輸入物価を押し上げるマイナスの側面もある。国内の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は4カ月連続で日本銀行が目指す2%を超えた。ただ、日本経済は新型コロナウイルス禍からの回復途上にあり、日銀は慎重な金融政策運営を求められる。(米沢文)

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