米ドル/円は、FOMCの利上げ停止で126円台突入も十分あるが、可能性は低め。シミュレーションと事前の整理が大事! 今週は米ドルの戻り売り方針を変えず
やや米ドル安のバイアスの中、ジグザグ運動を繰り返す、イメージどおりの動きに。いよいよ来週はFOMCが開催
これまでの1週間は、やや米ドル安のバイアスがかかる中、ジグザグ運動を繰り返す展開というイメージをお伝えしていましたが、ほぼイメージどおりの動きをしてきました。
市場関係者の中で、中期的には米ドル安を予想するものが多いものの、足元では、さらに米ドルを売り込むような材料がないことで、こうした動きになってきています。
そんな中、いよいよ来週(1月30日~)、注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が1月31日(火)から2月1日(水)に開催されます。
BOCが今回の利上げでいったん利上げを停止へ。FOMCでも利上げが停止されるのではとの観測が広がった
それに先立って、注目すべき出来事がありました。
昨日(1月24日)、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])が政策会合を開き、政策金利を0.25%引き上げることを決定しました。
これは予想通りでしたので影響はなかったのですが、それと同時に発表された声明文の中にある以下の内容に注目が集まりました。
「今年はインフレ率が大幅に低下すると予測」
「経済発展が見通しに沿った場合、理事会は累積的な金利上昇の影響を評価する間、政策金利を現在の水準に維持すると予想」
つまり、今回の利上げでいったん利上げを停止するということです。
カナダは米国の隣国で、カナダの経済は米国経済に大きく依存しています。その為、金融政策もアメリカに歩調を合わせることが多いことで知られています。
また、BOCは政策会合はFOMCの少し前に開かれることが多く、FOMCの動向を占うのに参考になると、市場では捉えられています。
そのBOCが利上げを停止するということで、来週のFOMCでも利上げが停止されるのではないかという観測が広がっています。
利上げが0.25%の場合、やや米ドル安に反応か。0.5%の場合、米ドル/円は1~2円程度上がるのでは
来週のFOMCに関しては、0.25%か0.5%の利上げが予想されていますが、ブラックアウト前には、FOMCのメンバーからは「0.25%利上げを支持する」という声がちらほら出てきていましたので、おそらく0.25%になるのではないかと思います。その場合はやや米ドル安に反応するはずです。
逆に0.5%となった場合、マーケットは米ドル買い方向に反応して、米ドル/円で1~2円程度上がるのではないかと思っています。
利上げ停止なら、米ドル/円は126円台突入も。次回利上げ停止ならやや米ドル売り、何も示唆がなければやや米ドル買いか
また、今回のFOMCでこれまで続けてきた利上げをいったん停止するかという問題ですが、私は可能性としては低いと思っています。
しかし、もし利上げが停止されるようなことがあれば、米ドルは急落するでしょう。その時は、米ドル/円も一気に127円を割り込んで126円台に突入することも十分あると考えています。
一方、今回利上げの停止がない場合でも、次回あたりで利上げを停止するようなニュアンスの発言などがパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長からあれば、これも米ドル売り要因にはなると思いますが、下落幅はやや小さめになると考えています。
何も示唆がなければ、期待が高まっている分、どちらかといえばやや米ドル買い要因かなというイメージを持っています。
このあたりのシュミレーションをして、事前に頭の中を整理しておくことが大事ですので、頭の中に留めておいてください。
今週は米ドル/円、ユーロ/米ドルでの戻り売り方針を変えず
トレードとしては、基本、米ドル/円、ユーロ/米ドルでの米ドルの戻り売りを続けてきていますが、この方針は変えずに今週(1月23日~)もトレードをしていきます。
ザイFX!