米ドル/円はしばらく上下動を繰り返したあと、いずれ150円へ向かう! 日本の貿易赤字も明確な円安要因、142円台を押し目のメドにして、じっと待つのが有効!

2022年09月17日

米国のCPI発表で急騰した米ドル/円を反落させた「レートチェック」とは? 
 9月13日(火)に発表された米国の8月のCPI(消費者物価指数)が予想を上回る結果となり、ほぼ瞬間的に米ドルが急騰した翌日(9月14日)、「日銀がレートチェックをした」という報道で、米ドル/円が反落する局面がありました。
 私が現役のディーラーだった頃は日常茶飯事でしたが、もう10年ほど行われていませんでしたので、少し解説をします。
 まず、日本では為替政策を決めるのは、日銀ではなく政府です。財務省の所管になります。一方、日銀の役目は物価を安定させることです。財務省が実際に市場で為替介入を実施するときは、日銀にオペレーションを委託します。つまり、日銀が政府の代理人として市場で介入を実施します。
 次に、「レートチェック」とは何かと言えば、日銀が民間銀行に「今の市場のレートはいくらですか?  市況はどんな感じですか?」と、ヒアリングすることを言います。
 レートチェックは為替介入の前段階の行動という側面がありますが、レートチェックをしたからと言って、そのまま為替介入に向かう訳ではありません。一種のブラフ(ハッタリ)の場合がほとんどです。
実際の為替介入へのハードルは高い。レートチェックの効果は一時的で、相場の流れを変えるまでの出来事ではない
 これまでは、円安に対する牽制発言を政府関係者がするだけでしたが、今回、日銀にレートチェックをさせたことで、一段ステージが上がったということになります。
 しかし、レートチェックは簡単にできますが、為替介入は他国、具体的には米国の了解が必要になるので、ハードルは一気に高くなります。
 今回、日銀のレートチェックにより為替介入への警戒感が広がりましたが、それはこの局面で初めてのことだったからです。これも次第に慣れてきます。ですから、効果は一時的です。流れを変えるまでのことはない、ということです。
米ドル高・円安の流れは変わらず。日本の貿易赤字は明確な円安要因、米ドル/円もいずれ150円に向かうと想定
 さて、今後の相場展開ですが、基本的に米ドル高、そして円安の流れは変わりません。
 ただ、現在は上下動が続いていますが、こうした動きがまだしばらく続き、その後、また米ドル高に向かうという流れになると思います。米ドル/円もいずれ、150円に向かうと思います。
 その一番の理由は、日米の金利差ですが、それだけではありません。
 先日、9月15日に発表された8月の日本の貿易収支は2兆8173億円の赤字と、過去最大の赤字となりました。
 貿易収支が赤字ということは、輸出よりも輸入の金額の方が多いということですから、外貨買い・円売りが発生するということになります。しかも、貿易に関する円売りは、トレードによる円売りと違って売りっぱなしですので、明確な円安要因です。
 単純に言えば、毎月2兆8000億円もの円売りが発生しているということです。
 こうした円売りは、連日、継続的に発生しますので、短期的な動きに大きな影響が出る訳ではありませんが、「ちりも積もれば山となる」で、時間が経過するにつれ、ボディブローのように効いてきます。こうした状況が続いている限り、円安の環境は変わらないということです。
米ドル/円は142円台が押し目買いのメド!  米ドル/円やクロス円の押し目買いか、円売りポジションを持っておくのが良い
 現在の相場は基本、円安ですが、上下動を繰り返す展開が続いているので、非常にやりづらく、私自身も大変苦労しています。
 ただ、円高の流れに転換することはまずないと思いますので、やはり、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での押し目買いをするか、円売りポジションを持ってじっとしているかのどちらかです。
 米ドル/円は、142円台を買い場のメドとしておきます。
ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルはレンジトレードに徹するべき。スワップポイント狙ったメキシコペソ/円の中長期保有が有効か
 なお、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルなどは、ユーロ圏や英国が米国と歩調を合わせる形で積極的に利上げを実施していますので、綱引きとなっており、大きく米ドル高に向かう可能性は低いと考えています。突っ込まず、レンジトレードに徹する方がいいと思います。
 最後に、メキシコペソ/円ですが、メキシコの政策金利が8%を超え、スワップポイントがかなり大きくなってきているので、メキシコペソ/円でスワップ狙いの買いポジションを中期的に持っておくのは、当面、有効な状況が続くのではないでしょうか。

ザイFX!


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