米ドル/円は127円か126円程度、ユーロ/米ドルは1.12ドル程度を当面の視野に。米利上げ停止が見えたものの、一気に米ドル安トレンドが出来るかといえば、やや疑問

2023年02月04日

パウエルFRB議長から、今後の利上げ停止の可能性についての言及があった
 昨日(2月1日)、注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。結果は0.25%の利上げとなり、先週のコラムでお伝えしたとおりの結果でした。まあ予想どおりというところです。
 問題は、今後の利上げ停止の可能性について、言及があるかという点だとお伝えしていましたが、ありました。FOMC後のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見での発言を抜粋します。
「急速な引き締めの完全な効果はまだ感じられない」
「我々はまだ十分に制限的な政策スタンスに達していない」
「インフレでの勝利を宣言するのは時期尚早」
 など、依然としてインフレへの警戒感を維持し、引き締めを継続することを示唆しました。しかし、一方で、
「ディスインフレプロセスが始まった」
「引き締め過ぎは望んでいない」
と、これまでよりは引き締め姿勢を緩めたような言い方をした上で、
「FOMCは景気抑制水準に向けてあと2回ほどの利上げを協議中」
と発言しました。
 これは重要です。この発言は次回の3月と5月のFOMCで、それぞれ利上げを実施するところまでは検討していると言って、それ以降については触れなかったということは、そこで利上げを停止する可能性があると言ったも同然です。
あと2回、0.25%ずつ利上げを実施すると、当面のターミナルレートは5.00~5.25%に
 これまでのコラムで、私は5月のFOMCで利上げは停止すると予想しているとお伝えしてきましたが、まさにそのとおりのことをパウエル議長が発言したということです。
 あと2回、0.25%ずつ利上げを実施すると、FFレート(※)は5.00~5.25%となります。これが当面のターミナルレート(利上げの最終地点)になるということです。
(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)
パウエルFRB議長の発言を受けて、米ドル安が進んだ
 さて、これらの発言を受けて米ドル安が進んでいます。ユーロ/米ドルはとうとう1.10ドル台にまで上昇(米ドル下落)してきました。
 米ドル/円も129円台から130円台のレンジに入り込んでいましたが、そこを下に抜けてきています。
 確かに、米国の利上げ停止が見えてきて、米ドルを買う材料がなくなったので、米ドル安に向かうというのは予測出来た流れです。今後はさらに米ドル安圧力がかかってくる展開になるでしょう。
一気に米ドル安のトレンドが出来るかといえば、やや疑問が残る。ユーロ/米ドルは1.12ドル程度、米ドル/円は127円か126円程度を当面の視野に
 ただ、一気に米ドル安のトレンドが出来るかといえば、やや疑問が残ります。
 米ドル/円は127円から126円程度にまで米ドル安が進む可能性は高いと思いますが、そこからさらに下落するには、まだ力不足ではないかと感じています。
 基本的に、米ドル/円、ユーロ/米ドルでの米ドル売り戦略でやっていきますが、あまり突っ込まないようにしたいと考えています。
 当面、ユーロ/米ドルは1.12ドル程度、そして、米ドル/円は127円、あるいは126円程度を視野に入れておきます。
雇用環境がしっかりしていることが、インフレが収まらない原因。米雇用統計の結果次第で、さらなる米ドル安が進む可能性も
 なお、FOMCの声明文で「雇用環境が依然としてタイトである」として、雇用環境がしっかりしていていることが、インフレが収まらない原因となりうるという認識を示していますので、週末の米雇用統計に注目が集まってくると思います。
 その結果次第で、さらなる米ドル安が進む可能性は残っています。

ザイFX!


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