米ドル/円は9月22日前後まで調整されやすいが、7月高値139.39円付近はサポートになりやすい。今は米ドル高の調整局面で、9月の日銀会合が終われば再び円安に

2022年09月13日

ECB理事会は0.75%の利上げ。ユーロ/米ドルは上昇したが下降トレンドは継続したまま
 9月8日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会では、0.75%の利上げとなりました。
 ユーロ圏はインフレ率も高いですが、景況感も悪く、ラガルド総裁がどちらに軸足を置くのか注目していましたが、インフレへの対応に軸足を置いた形です。
 さらに次回のECB理事会でも、複数の金融機関は0.75%の利上げを予想しており、その影響もあってユーロ/米ドルは1.0198ドルまで上昇しました。
 1.02ドル付近は今年(2022年)2月から続く下降トレンドラインの位置にあたります。
 このトレンドラインで上値が止まっていることもあり、まだ下降トレンドは継続している形のままです。
 ただ、ドルストレート(※)の多くが米ドル高の調整の動きとなっていることから、ユーロ/米ドルの下降トレンドラインは上に抜ける可能性が高まっています。
(※編集部注:「ドルストレート」とは、米ドルが絡んだ通貨ペアのこと)
 もっとも1.03台ミドルの超長期のレジスタンスラインを超えるまでは、まだ大底を付けたとは言えないと考えています。
米CPIの結果は非常に重要。米ドルの動きも左右されることになる
 米ドル/円は9月7日(水)に144.99円まで上昇しました。
 あまりにも急激に円安が進んだこともあり、9日(金)には岸田首相と黒田日銀総裁が会談を行いました。
 黒田総裁は
「急激な為替レートの変動は好ましくない」
「1日に2円も3円も動くのは急激な変化だ」
 と発言したこともあり、米ドル/円は141.50円付近まで調整する動きとなりました。
 今週(9月12日~)は13日(火)に米国のCPIの発表があります。
 パウエル議長はインフレ対策に軸足を置いていることや、金融政策をデータ次第としていることもあって、CPIの数字は非常に重要となります。
 今回のCPIの市場予想は前年同月比でプラス8.1%となっています。
 前回がプラス8.5%だったため、鈍化している予想となっています。
 9月21日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、この記事の執筆時点では、0.75%の利上げ確率が90%、0.50%の利上げ確率が10%となっています。
 CPIの数字を受けて、この利上げ確率も変わってくることになり、米ドルの動きもそれに左右されるため、非常に重要な経済指標となります。
米ドル/円は139.39円がサポートラインに。日銀金融政策決定会合まで調整局面は続くか
 米ドル/円は144.99円まで上昇しましたが、テクニカル分析からはこの水準は今年3月からの上昇チャネルの上限に位置しています。
 トレンドが強いときはチャートポイントを一気に突き抜けることも多いですが、現在は上昇チャネルの上限に止められたこともあり、いったんは調整局面に入ったように考えています。
 9月21日(水)にはFOMC、9月22日(木)は日銀金融政策決定会合もあるため、それまでは調整局面になるように思います。
 もし日銀金融政策決定会合での金融政策の修正の思惑が出てくるようであれば、その調整は9月22日(木)までは続くと思います。
 もしそうなると、米ドル/円は下がりやすくなりますが、ただ黒田総裁が金融政策を転換させるとは考えにくいため、日銀会合が終われば再度円安になりやすいように思います。
 どのような材料が出てくるかまだわかりませんが、チャートからは米ドル/円は9月22日前後あたりまで調整されやすい局面に見えます。
 下値メドとして意識されやすい水準としては、7月の高値が139.39円にあるため、その水準ではサポートされやすいように思います。
 現在は、米ドルの調整局面という認識でいます。

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