米中首脳が電話会談、台湾問題やロシアのウクライナ侵略巡り意見交換か
2022年07月29日
ワシントン=蒔田一彦、北京=大木聖馬】米ホワイトハウスによると、米国のバイデン大統領と中国の習近平(シージンピン)国家主席が28日、電話で会談した。緊張が高まる台湾問題やロシアによるウクライナ侵略について意見交換した模様だ。対立が深まる米中関係も協議し、対話を継続していく方針を確認したとみられる。 【写真】ロシア軍、侵攻から5か月...がれきの街で
両氏の会談は、今年3月にテレビ会議形式で行って以来だ。米中がそれぞれ、中間選挙、共産党大会という重要な政治日程を控える中で行われた。会談は2時間以上に及んだ。
米中間では、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問計画を巡って緊張が高まっている。バイデン氏は、米国の台湾政策に変更はないとの立場を伝える一方、中国側に台湾に対する軍事的威圧をやめ、平和的に問題解決に取り組むよう要求したとみられる。
習氏は台湾問題を巡り、中国国民の領土主権を守る断固とした決意を見くびってはならないと主張したとみられる。習氏は今年秋頃に自らの3期目政権発足を目指す党大会を控えており、習政権は最重要視する台湾にペロシ氏が訪問した場合、「強力な措置を講じる」(中国国防省)と反発し続けている。習氏は、軍事的対応を含む強硬な対抗措置を説明した可能性もある。
ロシアによるウクライナ侵略を巡っては、バイデン氏が中露の連携に懸念を示し、ロシアに対する経済、軍事的な支援を行わないよう、改めて習氏に促したとみられる。習氏は、是々非々で判断するなどとして、従来の立場を崩さなかった模様だ。