米中首脳電話会談、台湾問題で激しい応酬 バイデン氏「平和と安定を損なう試みに強く反対」 習氏「火遊びをすれば必ず焼け死ぬ」 ペロシ氏の訪台めぐり火花

2022年07月29日

ジョー・バイデン米大統領と、中国の習近平国家主席は28日、電話会談を行った。中国が軍事的圧力を強める蔡英文総統率いる台湾をめぐり、激しい応酬があった。バイデン氏には11月の中間選挙が、習氏には異例の「政権3期目」を目指す秋の党大会が控えており、両首脳とも一歩も引けない状況といえる。米中両軍は会談前、東アジアで軍事的威圧も行った。ナンシー・ペロシ米下院議長の「8月台湾訪問」予定が取り沙汰されるなか、「偶発的な衝突」が懸念されている。 ◇ バイデン氏「台湾に関する、米国の方針(=『一つの中国』原則を留意する)は不変だ」「一方的な現状変更や、台湾海峡の平和と安定を損なう試みに強く反対する」 習氏「われわれは『台湾独立』分裂勢力と外部勢力の干渉に断固反対する」「火遊びをすれば必ず焼け死ぬ」「(中国を国際秩序に対する)最も深刻で長期的な挑戦とみるのは誤った判断だ」 米東部時間28日午前8時半(日本時間同日午後9時半)から2時間17分行われた会談で、両首脳は台湾問題について、このような警告を発した。両国メディアが伝えた。 両首脳の直接対話は3月以来で、昨年1月のバイデン政権発足後は電話やオンラインを含め5回目。 バイデン氏は今年5月、東京での日米首脳会談後の記者会見で、記者から「台湾防衛に軍事的に関与するのか?」と問われ、「イエス(もちろんだ)」「それが、われわれのコミットメント(約束)だ」と即答した。 この前後から、中国軍の活動はさらに活発化している。 中国海軍の空母「遼寧」は5月上旬から、沖縄南方の太平洋に展開し続け、艦載戦闘機やヘリコプターの発着艦を300回以上も繰り返した。実施海域は、日本の南西諸島や台湾に近い場所だった。 これに対抗するためか、米軍は東シナ海で6月下旬から約1週間、最新鋭ステルス戦闘機F22や同F35など大量の戦闘機を飛行させ、一部は日中中間線を越えて中国本土に接近させた。共同通信が25日報じた。 今回の米中首脳会談が、台湾問題で緊張したのは、ペロシ氏が8月にも台湾訪問を予定していることも関係している。 下院議長は、大統領が執務不能になった際の継承順位が副大統領に次ぐ要職。実際に訪台すれば現職下院議長としては1997年のニュート・ギングリッチ氏以来で25年ぶりとなる。 中国は、人権問題などを厳しく批判するペロシ氏の訪台の可能性に強く反発しており、外務省の趙立堅報道官は25日の記者会見で、「米側が独断専行すれば、中国は必ず揺るがない有力な措置をとり、国家主権と領土の保全を守り抜く」と語り、対抗措置をとることを示唆した。 24日付の米紙ワシントン・ポストは、軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が、ペロシ氏の訪台について、時期的にリスクがあるとの見解を伝えたと報じた。 米当局者は、秋の共産党大会前にペロシ氏が訪台すれば、中国軍の戦闘機がペロシ氏搭乗機を挑発したり付きまとったりする恐れがあると警戒しているという。 台湾問題以外では、米側に協調を求める習氏の姿勢が目立った。 バイデン政権が中国を「ライバル」などと位置付けていることに対し、習氏は「これは両国関係に関するミスジャッジで、中国の発展を誤解している」と主張。そのうえで、「これは両国人民と国際社会を間違った方向へ導く」と批判し、「双方の協力推進」などを呼び掛けた。 気候危機対策や感染症の大流行などに備える「健康安全保障」など、協力可能な分野で対話を続ける方針では一致した。両国政府が発表した。 今回の首脳会談をどう見るか。 国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「米国内の保守派は、今回の会談について、経済問題を含め、『中国に譲歩した』との懸念がある。台湾問題では、バイデン氏が有事の介入を示唆しながら、ホワイトハウスが火消しに走る修正が繰り返された。中国が『バイデン氏は、オオカミ少年だ』と見なせば、極めて危険だ。抑止力を高めるには、バイデン氏が政権内で方針統一を徹底し、同盟国とも連携を深める必要がある。台湾有事は日本有事だ。日本も意思を共有し、有事に備えなければならない」と語った。

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