米欧、利上げ継続へ決意 物価抑制で景気悪化容認 日本経済に波及の恐れ

2022年08月29日

【ジャクソンホール時事】米西部ワイオミング州ジャクソンホールで27日まで開かれた経済シンポジウムは、米欧がインフレ対策を優先し、利上げを継続する決意を強く示す場となった。  ある程度の景気悪化はいとわない構えだが、日本経済に波及する可能性もある。  「9月に再度、かなりの対応を取る」。出席した欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は27日のスピーチで、2会合連続の大幅利上げを示唆した。ECBは7月に11年ぶりの利上げを決定。インフレを抑え込むため、前回の0.5%から、通常の3倍となる0.75%に拡大させるとの観測も浮上している。  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も26日の講演で、インフレ圧力が緩和したと確信できるまで「強力な措置を続ける」と、追加利上げの必要性を明言した。大規模金融緩和を堅持する日銀とは対照的で、米欧との金利差拡大を背景とした円安圧力が根強く残りそうだ。  ロシアのウクライナ侵攻はエネルギー価格の高騰を招いた。米欧では物価高が深刻化し、景気悪化の兆しが強まっている。特に欧州の中核国であるドイツは、ロシア産天然ガス供給の混乱を受けて景気後退の瀬戸際に立たされている。だがビルロワドガロー氏は「物価安定に向けたECBの意志は絶対だ」と語り、引き締めを続けると強調した。  FRBは金融引き締めが失業の増加といった「痛み」を伴うと認める。2022年4~6月期の米経済成長率は2四半期連続のマイナスとなった。それでもパウエル氏は「物価安定を回復できなければ、痛みは一層大きくなる」と言い切った。  米欧中銀が景気悪化を顧みず、金融引き締めを急ぐのは、企業や消費者が物価高は続くと見込むことで、「今の高インフレが定着する可能性が高い」(ECB高官)との判断がある。賃金の伸びを上回る物価上昇が続けば、中・低所得層への打撃は大きく、経済格差を広げる要因になる。  中国経済の不振が鮮明になる中、米欧景気が腰折れすることになれば、世界経済に悪影響が及ぶのは不可避だ。そうなれば、新型コロナウイルス禍からの立ち直りが遅れる日本は大きなあおりを受けかねない。

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