米金融大手、大幅減益 景気後退を警戒 7~9月期
2022年10月15日
【ニューヨーク時事】JPモルガン・チェースなど米金融大手が、連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げに伴う景気後退に警戒を強めている。
各社が14日発表した2022年7~9月期決算は大幅な減益となった。金利上昇で利ざやが改善して収入が増えた一方、融資先の焦げ付きに備えた引当金を積み増したことが響いた。
JPモルガンは引当金に約8億ドル(約1190億円)を計上した。実際の貸倒損失も含む不良債権処理費用は15億ドルに達し、前年同期比17%の減益。ダイモン最高経営責任者(CEO)は、急速な利上げや高インフレ、ウクライナ危機などを挙げ、「強い逆風が目の前に迫っている」と、景気悪化で業績が落ち込むリスクに懸念を示した。
シティやウェルズ・ファーゴも多額の不良債権処理費用を計上。いずれも2桁の減益となった。
世界的な利上げによる株価下落や景気の先行き不透明感の高まりを受け、企業の合併・買収(M&A)や資金調達が低迷したことも打撃となった。投資銀行業務が主力のモルガン・スタンレーは、M&A助言などの手数料収入が減り、大幅減益。JPモルガン、シティの投資銀行業務も振るわなかった。