米FRB、「痛み」覚悟で利上げ継続 インフレ封じ込めに総力 世界経済への打撃必至〔深層探訪〕

2022年09月24日

【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍となる0.75%の大幅利上げを3会合連続で決めた。年末まで大幅な追加利上げも想定し、急激な金融引き締めによる「痛み」も辞さず、インフレ封じ込めに総力を挙げる。米金利の急上昇は世界のマネーの流れに大きく影響する。円安進行のみならず、世界経済に打撃をもたらすのは必至だ。  ◇物価高定着阻止  「金利上昇や、成長と労働市場の鈍化はすべて、米国民への痛みを伴う。しかし物価安定を回復できない場合ほどの痛みではない」。パウエルFRB議長は記者会見で、インフレ封じ込めを何よりも優先し、「景気抑制的な水準」へ金利を引き上げる方針を表明した。  市場関係者が「ものすごく(物価安定重視の)タカ派的」(米金融大手)と驚いたのは、FOMC参加者の政策金利見通しだ。2022年末の金利予想は年4.25~4.50%と、年内の残り2会合で計1.25%の大幅利上げが見込まれた。市場ではFRBが11月1、2両日の次回会合でも0.75%の利上げを継続するとの観測が浮上している。  同会合直後の同月8日には、バイデン政権の命運を左右する米中間選挙が行われる。政治日程がまるで眼中にないかのように、FRBが利上げを急ぐのは、8%超の記録的な高インフレが長引けば、企業や消費者はこの先も価格上昇が続くと見越し、物価高が社会に定着しかねないと警戒しているためだ。  1970年代、FRBは十分な金融引き締めを行わず、10年以上の長期に及ぶインフレを招いた苦い記憶がある。パウエル氏は「高インフレが人々の経済的な判断に根付いてしまえば、代償は大きくなるだけだ」と、警鐘を鳴らした。 ◇供給不足へ対応を  FRBの急ピッチな利上げは、日銀の大規模緩和維持と相まって、日米の金利差拡大による円安・ドル高の急激な進行を招いている。22日の東京外国為替市場では円相場が一時1ドル=145円台と、24年ぶりの円安水準に下落した。  FRBだけでなく、欧州中央銀行(ECB)も今月、0.75%の利上げに踏み切るなど、米欧主要中銀が軒並み金融引き締めに乗り出している。世界銀行は「各中銀が同時に利上げを行うことで、世界は23年、景気後退に向かう可能性がある」と警告した。  世界的なインフレには、コロナ禍での供給制約や、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー・食料の価格高騰など、金融引き締めでは対応しきれない要因も少なくない。マルパス世銀総裁は19日の会合で、「インフレ対策の一つは生産を増やすことだ」と明言。米国をはじめ、経済力のある大国は供給不足解消のため、「生産部門に資金を回す政策を講じる必要がある」と訴えた。

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