米FRB、大幅追加利上げへ インフレ高止まりで 20、21日に連邦公開市場委員会
2022年09月18日
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は20、21両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、金融政策を協議する。
インフレ率が依然8%超で高止まりする中、通常の3倍となる0.75%の大幅利上げを3会合連続で決めることが確実視されている。日米の金利差が一段と拡大し、円安・ドル高の流れは続きそうだ。
8月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.3%上昇。原油相場の下落を反映し、伸びは2カ月連続で鈍化したが、市場予想を上回った。家賃の上昇率が約36年ぶりの高水準を記録するなど、インフレ圧力の根強さが改めて鮮明となった。市場では利上げ幅が1.00%になるとの見方もある。
FRBは、新型コロナウイルス危機後の需要急増に供給が追い付いていないことが高インフレの持続の主因と分析。景気を冷まし、過剰な需要を抑えるため「インフレ低下の明白な証拠を確認するまで」(FRB高官)利上げを続ける構えだ。
FOMCでは参加者の経済見通しも公表される。政策金利は現行で年2.25~2.50%。6月時点では、2023年に年3.75~4.00%まで引き上げられるシナリオが提示された。強いインフレ圧力を踏まえ、政策金利予想はさらに上方修正されるとみられる。
一方、利上げ加速の見通しを受け、成長率予想は引き下げられ、失業率は引き上げられる可能性が高い。成長を保ったままインフレを封じ込める「ソフトランディング(軟着陸)」は一層困難となりそうだ。
パウエル議長は8月下旬の講演で、利上げによる家計や企業の「痛み」は「インフレを低下させる上での不運なコスト」と明言。物価安定の回復を最優先し、「しばらくの間」は金融引き締めを維持する意向を明らかにした。