米NYタイムズ「トランプ邸に金正恩委員長直筆の書簡」
【NEWSIS】米国のトランプ前大統領が法律に違反し、退任後にフロリダ州の私邸に持ち去ったホワイトハウスの資料の中に「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長直筆の書簡」があった。米ニューヨーク・タイムズ紙の記者が伝えた。
同紙でトランプ氏を担当するマギー・ヘイバーマン記者は18日朝5時(韓国時間午後6時)にデジタル版に掲載した「トランプはなぜ政府文書の返還を拒否するのか」という記事で、トランプ氏が資料の返還を拒否する理由について「誰も所有できない貴重なものをこれ見よがしに並べて誇示する自慢癖」を挙げた。
さらにトランプ氏が自慢するためマール・ア・ラーゴの私邸に持ち去ったホワイトハウスの資料の中に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の手紙が複数含まれていたことを特にその事例として紹介した。これについてはメディアによる米司法省への情報公開請求裁判が進行中のため、現時点で事実かどうかまだ分からない。金正恩氏の手紙についてはヘイバーマン記者の推測が間違っている可能性もある。
トランプ氏は核開発を進めていた北朝鮮を就任直後からすぐにでも攻撃する勢いだったが、就任から1年が過ぎた2018年3月8日、韓国の特使らに金正恩氏と会う意向があることを伝えた。二人は6月12日にシンガポールで会談することが正式に決まったが、その直前の5月末にトランプ氏が「会談をキャンセルする」と脅かすと、金正恩氏は直筆の手紙を書き金英哲(キム・ヨンチョル)労働党統一戦線部長を通じてホワイトハウスに送った。その後も金正恩氏はポンペオ国務長官(当時)らを通じてトランプ氏に手紙を送ることもあった。
トランプ氏がマール・ア・ラーゴに持ち去ったホワイトハウスの資料全体のリストはトランプ氏だけが知っているが、連邦司法省やFBI(米連邦捜査局)が連邦判事から受け取った家宅捜索令状にもマール・ア・ラーゴにあると推定される資料のリストとその場所が記載されている。
令状のリストはこれまでFBIのクリストファー・レイ長官と彼を指揮する司法省副長官、そして今回特別にメリック・ガーランド司法長官や令状を出した判事、現場の捜索責任者、トランプ氏本人だけが見たと考えられる。トランプ氏は8日のFBIによる家宅捜索を突然メディアに公開したが、捜索の目的が資料の押収という事実までは明らかにしなかった。