習近平が“3選”した中国から「世界の投資家」が逃げ出した…! 毛沢東時代の“大飢饉”の悪夢がよぎる「危うさの正体」
グローバル・マネー逃避の原因
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4期目があっても不思議のない体制になったー。10月22日に閉幕した中国共産党の第20回党大会と、同23日に開催した第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)を経て、中国国家主席を兼ねる中国共産党の習近平・総書記の3期目の新指導部が正式に発足した。 【写真】韓国・文在寅の「引退後の姿」がヤバすぎる...! この習体制の危うさが、強国路線の延長線上にある台湾情勢の緊張の高まりだけでないことを雄弁に物語ったのが、習指導部の顔触れが明らかになった日の翌日(同24日)の香港株式市場の動きだ。 グローバル・マネー(外国人投資家)の上海市場をあわせた中国本土株の売り越し額が179億元(およそ3700億円)とこれまで最大だった2020年7月14日の173億元を上回り、過去最大を記録したのである。結果として、中国株相場も大きく下げた。 こうしたグローバル・マネーの動きは、「共同富裕」政策を掲げて、鄧小平体制以来の中国経済の成長の原動力だった「改革開放」路線を捨て去りかねない習近平体制への強い警戒感を示している。そして、その危うさは経済失政のツケから中国国民の不満をそらすため、一段と台湾情勢を悪化させ、さらに経済を圧迫するという悪循環を招きかねない。 10月24日の香港株式市場は、相場の指標であるハンセン指数が前週末比6%安の1万5180ポイントで取引を終えた。これは、2009年4月以来、ほぼ13年半ぶりの安値更新だ。1日の下落率としても、2008年11月以来、ほぼ14年ぶりの大きさとなった。背景にあったのが、過去最大を記録したグローバル・マネーの中国市場からの逃避なのだ。この日の売り越しにより、グローバル・マネーの年初からの通算の売買も売り越しに転じたという。 グローバル・マネー逃避の原因が、週末の中国共産党の習指導部の3期目の発足を嫌気したものであることは明らかだ。値下がりがきつかった銘柄には、ここ数年の習近平氏への権限の集中過程で、中国経済の統制色が強まり、その規制強化の波をもろに被り、かつてのような成長力をすっかり失ったアリババ集団やテンセントなど中国IT大手株が顔を揃えた。