英経済紙が懸念する「孫正義の後継者問題」

2022年08月11日

大物幹部がつぎつぎ退社するなかで、ソフトバンクグループを率いる孫正義の後継者問題に焦点が当たっている。英紙「フィナンシャル・タイムズ」がその動向を追った。

激しい出入り

孫正義からの支援を求める起業家たちにはあいにくだが、ソフトバンクグループの創業者たるこの大資産家に直接面会することは、新型コロナの世界的大流行によってこれまでになく難しくなった。 2年間のパンデミックを経てなお孫は海外渡航を自粛しており、代わりにオンラインビデオチャットを用いている。また孫への直接面会希望者は、国内外どこから来たかを問わず、面会当日までの3日間毎日PCRテストを受けなければならない。 パンデミックの最中、健康リスクのマネジメントはあらゆる最高責任者にとっての優先事項となった。そして孫ほどに替えの効かない重要人物が体調を崩すことのリスクは、深まる後継者問題のためにいよいよ高まっているのである。 この2年間だけで、多くの上級幹部がソフトバンクを退社、あるいは役職を退任している。直近かつ最重要の例としては、資本金1000億ドル規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の責任者ラジーブ・ミスラが、アブダビ資本の新ファンド設立のために同社責任者の地位を降りている。 また(かつてソフトバンク傘下にあった)米携帯電話会社「スプリント」の元CEOマルセロ・クラウレも今年ソフトバンクを退社、同グループCSO(投資戦略統括)にしてゴールドマン・サックス元幹部の佐護勝紀も昨年に退社している。孫が公に認めたわけではないが、この3名は彼の後継者候補と目されていた。 「ラジーブが後継者でもよかったし、他の方でもよかったのですが、心配なのは人の出入りが常に激しいことです。孫正義の後継者問題は、金融組織にとってリスクとなる話ですから」と、孫に近しい銀行員は語る。 幹部の退社は他にもいくつかあり──ドイツ銀行の元トレーダーであり、短命に終わったソフトバンクの内部ヘッジファンドを統括した同社チーフ・コンプライアンス・オフィサーもそこに含まれる──その理由は人によってさまざまだ。 自分の能力が充分活かされていないと感じていたと伝えられる者もいれば、給与に不満があったと伝えられる者もいる。同グループのコンプライアンスに関する問題に懸念を示した者や、幹部間の内部争いが元で退社した者もいる。 また相次ぐ幹部の退社は、中国におけるテクノロジー関連株の大暴落や規制強化のために、ビジョン・ファンドが被った歴史的大損害と時期を同じくしている。

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