菅も麻生も進次郎も河野太郎も全員降伏…「安倍後」の日本、岸田政権が最強になってしまう可能性
主の急死により崩壊しつつある安倍派と、それに乗じて「挙党一致体制」を磐石にしようとしている岸田総理。その岸田総理が、いま何としても取り込み味方につけたいのが菅義偉前総理だ。菅氏という「最後のピース」を手に入れれば、岸田政権は最強となる――。 安倍晋三が恐れ、小池百合子は泣きついた「永田町最後のフィクサー」 前編記事【安倍氏「国葬」を岸田・麻生が決めた「真の目的」...安倍派壊滅の「カウントダウン」が始まった! 】に続いて、安倍氏の死後、政権中枢で行われている水面下の暗闘をレポートする。
何としても菅を獲れ
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麻生を骨抜きにした岸田が次に考えたのは、麻生を使って菅を取り込むというプランだ。 本来、菅が岸田に協力する義理はない。 「菅さんは、優柔不断で官僚的な性格の岸田総理を『あんな奴は政治家じゃない』と言って毛嫌いしてきました。だからこそ退陣直後から、堂々と勉強会の立ち上げに動いてきたわけです。 加えて、安倍さんは『いざとなったら菅さんと一緒に岸田下ろしをする』と漏らすこともありました。安倍・菅が組んで政権転覆に動くというのが、岸田総理にとって考えうる最悪の展開だった」(自民党閣僚経験者) だが状況は大きく変わった。安倍が消えた今、菅が主流派へ返り咲くには、もはや岸田・麻生の軍門に降るほかない。かつては「妖怪」と呼ばれた、菅の盟友にして元幹事長の二階俊博も、その妖力をすっかり失った。 「二階さんは次の総選挙で、何としても息子に議席を引き継がねばならない。公認権を実質的に握っているのは岸田さんや麻生さんだから、『今は動くべきではない』と言っていて、完全に封じ込められてしまっている」(前出・自民党閣僚経験者)
「原発再稼働担当大臣」という奥の手
気心の知れた安倍を失い、同じ党人派の二階を封じられ、ひとりになった菅。そこへ岸田は、総理経験者である菅と唯一対等に話せる存在の、麻生を差し向けた。 「5月末には麻生さんが、あまり反りが合わないはずの菅さんを自宅に招いてまでサシで話をした。そこで菅さんが『菅グループのメンバーを次の内閣改造で処遇してほしい』と伝えたという話もあります」(自民党関係者) 官邸を発信源として、菅に副総理のポストを与えるという「観測気球」も上げた。麻生と同格、つまり現政権の枠組みの中では最高の処遇である。 「さらには、奥の手として『原発再稼働担当大臣』を兼務してもらうという案も官邸では浮上している。菅さんは『仕事師』を自任しているので、『複数の官庁をまたぐこの難事業をこなせるのは、菅さんしかいない』とおだてれば、乗ってくるはずだと」(前出と別の自民党閣僚経験者) 岸田がこれほど菅にこだわるのは、菅こそ喉から手が出るほど欲しい、今の政権に欠けた「最後のピース」だからだ。