食い止めよ!円安は「インフレ税」だ~今は消費税2%引き上げと同じ

2022年10月10日

 消費税率を引き上げて税収を大企業に補助金として配れば、大反対が起こるだろう。ところが、いま円安によって物価が高騰し、これと同じことが進行している。それにもかかわらず、これに反対する政治勢力がない。日本の働く者は見捨てられている。 【写真】財務省が円安ブレーキをかける一方で日本銀行はアクセルを踏み続ける

物価高騰で、働く者の生活が苦しくなっている

by Gettyimages

 物価が上がって賃金が上がらなければ、働く者、消費者の生活は苦しくなる。食料品などが値上がりしているので、食費などの生活費を切り詰める。ガソリンも本当は高くて買えなくなっているのだが、それは補助金でごまかされている。  ただ、ガソリンを使うのは、どちらかと言えば豊かな人々だ。高齢者施設では、入居料を値上げしている。ギリギリの生活なので、大きな負担だ。  以上のことは、実質賃金が低下していることによって、統計的にも確かめられる。  物価高騰が収まる見通しは、当面ない。これから先、さらに物価は上がるだろう。

物価高騰の約半分は、円安による

 物価が高騰しているのは、まず第1には、資源価格や農産物価格が世界的に高騰しているからだ。  ただ、日本の場合には、急速な円安がそれに拍車をかけている。  2022年8月のデータで見ると、契約通貨ベースの輸入価格の対前年比は 21.7%だが、円ベースでは42.5%だ。この差は、円安による。つまり、現在の日本で、物価高騰の約半分は、円安のためなのである。  資源価格の上昇は、日本政府の経済政策ではいかんともなしがたい。しかし、円安は日本の経済政策によって変えることができる。それを怠っているのは、税をかけているのと同じことだ。

大企業は補助金を受けている

 こうした問題が起きているのに、日本銀行は断固として金融緩和を続けるとしている。金利を上げると、景気に悪影響があるからというのが、その理由だ。  景気に対する悪影響とは、株価に対する悪影響、つまり、企業収益に対する悪影響のことだ。  実際、今回の円安によって、大企業を中心として、企業の利益は増えている。とりわけ、エネルギー、資源関連の上場大企業はそうだ。  法人企業統計調査のデータ(金融機関を除く)で2022年4-6月期の計数を21年同期と比較すると、営業利益と経常利益は、それぞれ13.1%と17.6%という非常に高い伸びになっている。  ただし、いくつかの留意点がある。  第1に、零細企業は惨憺たる有様だ。資本金2000万円以上ー5000万円未満では、営業利益や経常利益が減少している。また、従業員数も減少している。資本金1000万円以上ー2000万円未満では、売上も原価も、そして粗利益も営業利益も減少している。従業員数の減少率は4.6%に上る。  第2に、日本の株価の下落率はアメリカより穏やかに見える。しかし、ドル建ての日経平均を見ると、2021年1月以降、ほぼ傾向的に下落を続けており、現在の水準はコロナ前の2018、19年のレベルになっている。つまり、円安によって、日本の経済力は低下している。  第3に、こうした過程が続けば、日本経済は崩壊してしまう。上で見たのは、それに至る過程での一時的な企業利益の増加に過ぎない。

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