1ドル140円台 関西も打撃 大ガスは1円円安で5億円減

2022年09月05日

東京外国為替市場の円相場は1ドル=140円台まで値下がりし、約24年ぶりの円安ドル高水準が続いている。円安は、関西で強い輸出型企業の利益を押し上げる効果があるが、原材料などを輸入する企業はコスト増のデメリットとなる。関西でも内需型企業の業績の下押し要因となっており、企業によっては1円の円安が数億円以上のマイナスをもたらすケースも。歴史的な円安水準が続けば、関西経済への負の影響がますます広がることになる。 週明け5日の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=140円台後半で取引された。午後5時現在は前週末比33銭円安ドル高の1ドル=140円57~58銭。 市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が根強く、朝方から日米の金利差拡大を意識した円売りドル買いが先行した。 長引く円安は、白物家電を中心に中国などで生産し、輸入して国内で販売する製品が多いシャープも直撃している。 8月の令和4年4~6月期連結決算会見で沖津雅浩副社長は「主に為替変動の影響で営業利益が97億円減少した」と語り、事業環境の厳しさを強調した。1ドル=140円台の水準が続けば、逆風が強まる可能性がある。 エネルギー大手にもマイナスの影響が出ている。大阪ガスは8月、5年3月期通期の想定為替レートを従来の1ドル=115・0円から133・6円に変更。円安は海外の資源開発事業の増益要因だが、国内では都市ガスの仕入れ値上昇につながる。全体では1円の円安で連結経常利益が5億4千万円下振れするという。また関西電力は、火力発電の燃料費の上昇により、1円の円安で経常費用が80億円膨らむとしている。 円安の進行が関西経済に与える影響について、専門家は厳しい見方を示す。 りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「関西企業はアジア向けを中心とした輸出に強みを持ち、本来は円安がプラスにはたらく構造だが、世界経済が安定成長下にあることが前提となる。現在はインフレによる世界経済の成長鈍化で輸出が増えにくく、メリットが出にくい」とし、円安のデメリットが強く働くとみる。 新型コロナウイルス禍による関西でのインバウンド(訪日外国人客)消失も手痛い。日本のモノやサービスの価格を相対的に安くする円安は本来、インバウンドを増やす方向に働く。 帝国データバンク大阪支社の昌木裕司情報部長は「コロナがなければ海外の旅行客が相当な額のお金を落としていたはずだ。インバウンド需要拡大の機会を逃したことになり、かつて多くが訪れて潤っていた関西ではその機会損失が大きい」と指摘する。 今後の円安進行のめどについて、アジア太平洋研究所(APIR)の稲田義久研究統括は「平成10年の最安値である147円64銭が一つのメルクマール(指標)になると考えられ、市場が試している」と分析した。(井上浩平、桑島任浩)

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