ECB、少なくとも2月と3月は0.5ポイント利上げを-クノット氏
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は、今後2回の会合でも0.5ポイントの利上げを継続すべきであり、利上げペースを減速させる時期はまだまだ先だとの認識を示した。
クノット氏はスタンパ紙とのインタビューで、「われわれは昨年12月に利上げ幅を75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から50bpに縮小させた。これが今後の複数回の会合でのペースになるだろう」と指摘。「つまり、2月と3月の少なくとも2回という意味だ」とし、「夏まで引き締めモードが続くと私は強く考えている」と述べた。
今年下期は「50bpから25bpへと一段と利上げ幅を縮小させる可能性のある時期」になるかもしれないとしながらも、「そこからまだ遠く離れている。今後複数回の会合ではこれが視野に入っていないという点を改めて強調したい」と語った。
ECBは「複数」回の50bp利上げへ、1回ではない-クノット氏
ECBの一部当局者は利上げペースの減速を検討していると、事情に詳しい複数の関係者は明らかにしている。
ECBは2月に50bp、3月に25bp利上げの可能性も-関係者
クノット氏は「12月のデータでは総合インフレ率が鈍化したものの、全面的にベース効果とエネルギーインフレの鈍化によるものだ」と分析。「われわれはコアインフレに軸足を置いており、ここでは残念ながら良いニュースはない。なぜならなお上昇傾向にあるためだ。基調的なインフレ圧力は和らぐ兆候がまだ見られない」と話した。
「現時点でわれわれが管理しなければならないリスクは、引き締め過ぎではなく引き締め不足のリスクだ」とも述べた。
3月から始める方向の量的引き締め(QT)については「影響は限定的にとどまり、われわれは月平均150億ユーロ(約2兆1000億円)から最終的に260億ユーロへと段階的に引き上げていくことが可能だ」と見込んでいると説明。「慎重かつ段階的にそこまで行くべきだとも考えている。これまでしたことがないためだ」と付け加えた。