FRBなど世界の中銀、インフレとの闘いの1年を今週締めくくりへ
(ブルームバーグ): 世界の主要中央銀行は今週、この40年で最も積極的な利上げを実施した1年を締めくくる。景気が減速する中にあっても、各国中銀のインフレとの闘いはまだ終わっていない。
米連邦準備制度は14日、主要政策金利を0.5ポイント引き上げることを決定するとともに、2023年早期のさらなる利上げを示唆すると見込まれる。
翌15日には欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(中央銀行)が同じく0.5ポイントの利上げを決める見通し。この他にもスイス、ノルウェー、メキシコ、台湾、コロンビア、フィリピンの各中銀も利上げ実施が予想されている。
2022年は年始とは大きく異なる状況で年末を迎える。1月当時、多くの政策当局者は21年のインフレ高騰が間もなく収まるとの見通しが誤りだったと認めていた。ただ当局者らは、間断のない政策引き締めによってインフレ抑制は可能だと依然考えていた。
しかし、2桁台に加速した世界のインフレ率がいかに当局者らを強く圧迫したかを幾つかの数値が示している。
多くの国や地域でインフレがピークを付けた兆候が増えてはいるが、今の大きな問題は23年に何が起きるかだ。
最悪のシナリオはインフレ退治に手を焼き、リセッション(景気後退)が始まり、スタグフレーションの悪夢を中銀にもたらすことだ。
一番の期待は、当局者が利上げを停止し、成長押し上げのための利下げ検討が可能になるほどまでに消費者物価の伸びが迅速に鈍化することだ。
多くの投資家はある時点での政策転換を予想しているが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とラガルドECB総裁は共に、需要と雇用を損なうことになっても引き続きインフレとの闘いに集中する考えを示している。
原題:The 24 Hours of Hikes That End Year of Fighting Inflation(抜粋)
--取材協力:Vince Golle、Robert Jameson、Malcolm Scott、Craig Stirling、Ott Ummelas、Gregory White.
(c)2022 Bloomberg L.P.
Simon Kennedy