IMF専務理事、23年は厳しい年と警告-世界の3分の1で景気後退へ
2023年01月03日
(ブルームバーグ): 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は2023年について、世界経済にとって「厳しい年となり、昨年を上回る厳しさ」になると警鐘を鳴らした。
ゲオルギエワ氏は1日放送されたCBSの番組「フェース・ザ・ネーション」でのインタビューで「世界経済の3分の1がリセッション(景気後退)に陥ると予想する」とし、「なぜかと言えば、米国、欧州連合(EU)、中国の三大経済がそろって同時に減速するからだ」と語った。
IMFは昨年10月、世界経済の3分の1余りが23年にマイナス成長となり、全世界の国内総生産(GDP)伸び率が、世界的なリセッションとIMFが定義する2%未満になる確率は25%だと既に警告している。
ゲオルギエワ氏はインタビューで、三大経済が景気下降に耐える能力はそれぞれ異なると評した。「米国はリセッションを回避するかもしれない」が、EUは「ウクライナでの戦争でかなり深刻な打撃」を受けており、「EUの半分は来年、リセッションになるだろう」と発言。中国は「厳しい年」に直面していると述べた。
さらに、主要国・地域の景気鈍化は「世界的に悪いトレンドにつながり、途上国の新興市場に目を向けると、状況はさらに悲惨だ」とした。
ただ「米労働市場の回復力が維持されれば、世界が極めて厳しい年を乗り切るのを米国が手助けするだろう」と語った。
原題:IMF's Georgieva Expects Third of World to Suffer Recession (1)(抜粋)
(c)2023 Bloomberg L.P.
Zoe Schneeweiss