NZの金融システム、世界的金利上昇が試練に=中銀報告
2022年11月02日
[ウェリントン 2日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)のオア総裁は2日公表した半期金融安定審査報告で「インフレを抑えるために必要とされる世界的な金利上昇で、ニュージーランドの金融システムの耐性が試される」と指摘した。
オア氏は「国内金融システムは全体として底堅いが、一部の家計や企業は金利上昇環境によって厳しい局面を迎える」と警告した。
RBNZは、世界経済の先行きについて下振れリスクが増大しており、ニュージーランドは雇用水準が高く財政も健全な状況にあるものの、そうしたリスクから無縁ではいられないとの見方も示した。
これまでRBNZは、住宅市場の過熱や物価高騰に先回りして対処することを目指し、積極的な利上げを実施。現在の政策金利は7年ぶりの高さで、住宅ローン金利も急上昇し、幾つかの地域では住宅価格が崩れ、販売も減少している。
ただRBNZによると、住宅価格は全般的になお持続可能な水準を上回り、今後さらに緩やかに下落すれば長期的な金融安定にとって好ましいという。
一方でRBNZは、最近の住宅の買い手のごく一部は持ち家の資産価値よりローン残高が多くなる「ネガティブエクイティ」に陥っていて、住宅価格が下がり続ければその数は増えると予想。ローンの借り手が失業して返済ができなくなれば、銀行が損失を被るリスクも高まる恐れがあると付け加えた。