1ドル=150円時代もすぐそこ…超円安時代を乗り切る賢い「資産の守り方」徹底解説
まさかのジェットコースター相場が出現した。今月7日、ドル円は一時1ドル=144円99銭に急落。145円まであと1銭に迫ったが、その後、143円まで急伸し、為替関係者はホッと胸をなで下ろした。それにしても為替相場の動きは激しく、かつてない超円安時代は長引きそうだ。資産をどう守ったらいいか。 「一般NISA」と「つみたてNISA」はどっちが得? 向き不向きをチェックする ■円で保有する財産は下落 ドル円相場の史上最高値は2011年10月に付けた1ドル=75円32銭だ。今月7日の144円99銭と比べ"円の価値"は約45%も下がっている。 アメリカのネット通販で100ドルのトレーナーを購入したら、どんな計算になるか? 1ドル=75円32銭だと必要な円は7532円。それが直近安値の144円99銭では1万4499円となる。8000円で買えた服が、いまは1万5000円弱を払わないと手に入らない。ものすごく損をした気分だ。 「円安(円の価値が下がる)とは、外国の商品をそれまでより割高で買うということです。輸入価格が上昇するので、スーパーなどに並ぶ商品は値上がりします。例えば1本100円のバナナが125円になったらどうでしょう。1000円で10本買えていたのに、いまは8本です。資産も同じです。つまり、円で保有している財産の価値は下落しているのです」(市場関係者)
「1ドル=130円」まで待つ
ドル円相場の推移(C)日刊ゲンダイ
そんな超円安時代に資産をどう守ればいいか。経済評論家の杉村富生氏はこう言う。 「最大の防衛策はドル資産を持つことです。円で保有していたら目減りするばかり。円資産の一部を、ドル資産に置き換えるべきでしょう。ただ、現状はあまりにも急ピッチで円安が進んでいるので、もう少し為替相場が落ち着くのを待ったほうがいい。今後、ドル円相場は一時的に1ドル=150円まで進むかもしれません。でも、それは長くは続かないと思っています。いずれ130円ぐらいまで戻る。そのあたりがドルを買うタイミングかもしれません」 ニッセイ基礎研究所(金融研究部)の井出真吾チーフ株式ストラテジストもこう指摘する。 「1ドル=140円台がいつまでも続くとは考えていません。米国の景気は減速するでしょうし、そうなればドル買いも一段落します。ドル円相場の当面の目安は130円前後でしょう」 経済・金融のプロが口をそろえて「1ドル=130円」がターゲットだという。保有資産を見直すのは、そのタイミングだ。