9月の企業物価指数は前年比9.7%の上昇。過去最高値を更新。円安の影響が大きい。
2022年10月14日
日銀が13日に発表した9月の企業物価指数は前年同月比9.7%の上昇となった。前年の水準を上回るのは19か月連続となり、予想を大きく上回った。2020年の平均を100とした水準で116.3となり過去最高値を更新。
事業用電力や都市ガス、鉄くずなどのスクラップ類、銅などの非鉄金属、鶏卵などの農林水産物が値上がりした。その一方、木材・木製品は値下がりした。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、電力やガスなどの資源価格が高騰している影響もあるが、輸出物価指数は前年比20.1%増に対して、輸入物価指数は前年比48.0%増となっているのをみても、円安の影響も大きい。
輸入物価指数を基に「円ベース」の前年比上昇率から「契約通貨ベース」を引いて算出した「円安による寄与度」は9月に27.0ポイント。8月の20.9ポイントから拡大した(13日付ブルームバーグ)。
9月22日にはドル円が145円90銭まで上昇したタイミングで、24年ぶりの円買い介入があった。それによってドル円は140円台に一時下落したものの、ここにきて9月22日の水準を上回り、147円に迫っている。
当然ながら今後も円安の影響は受けやすくなり、しかも価格転嫁も進んでいることもあり、消費者物価にも影響を与えることが予想される。消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比3%台に乗せることが予想されているが、3%台で止まるという保証も当然ない。
久保田博幸金融アナリスト