FOMCは利下げをするつもりなのか、そうではないのか 米経済指標が今週発表
今週発表されるアメリカの経済指標が影響か
米連邦準備制度理事会(FRB)本部(アメリカ・ワシントン)=2021年1月27日 EPA=時事 写真提供:時事通信
12月12日の東京株式市場で日経平均株価は値を下げ、先週末と比べ、58円68銭安い27842円33銭だった。日経平均の下げ幅は一時160円を超えたが、その後縮小する展開となった。今週はアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)、さらに日本時間13日夜には、アメリカの消費者物価指数(CPI)の発表もある。経済の重要な指標の発表を次々に控えているため、その内容を見極めようと売買を控えるムードもあった。
どこまで政策金利を上げていくのか、どれぐらい長く引き締めを維持するのか ~この高さと長さの2つの指標が発表される
飯田)この物価が出てくると、米連邦準備制度理事会(FRB)がどう動くかも、また少し見えてくる感じでしょうか? クラフト)ある程度参考になって動くと思いますが、概ねFOMCの方向は決まっていると思います。FOMCに関して、ポイントは3つあります。 飯田)3つ。 クラフト)まず、利上げ幅です。おそらくいままで0.75%引き上げていたのを、0.5%に減速させる。これは概ね市場が織り込んでいます。 飯田)利上げは減速。 クラフト)それよりも大事なのは今回、3ヵ月おきに発表される「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」が出ます。FOMCの構成メンバーが2023年、2024年、2025年と予想する政策金利......つまり「どこまで政策金利を上げていくのか、どれぐらい長く引き締めを維持するのか」。この「高さ」と「長さ」の2つを示す注目指標が13日、14日ごろに出るのです。
FOMCは利下げをするつもりなのか、そうではないのか ~利上げ幅は5.25%、インフレ圧力が強ければ5.5%までいくことも
飯田)FOMCに参加しているメンバーが各々出す。 クラフト)金利がどこまで上がるのか予想するのです。市場の織り込みとFEDメンバーの予想を照らし合わせ、どこまでズレがあるのかということが見受けられる。 飯田)ズレがどこまであるのか。 クラフト)FOMCが市場の感触よりもタカ派なのか、ハト派なのか。2023年秋には利下げを予想していますが、FOMCは利下げするつもりなのか、そうではないのか。このような重要な指標です。おそらく0.5%よりも注目されると思います。 飯田)ピークがどのぐらいになるのか。6%までいくのか、あるいはもっと上でピークを折り返すのかという。 クラフト)私個人は5.25%、もしインフレ圧力が強ければ、最大5.5%までいくのではないかと思いますし、2023年度は利下げはないと予想しています。 飯田)その辺り、週末にイエレン財務長官がCBSの番組「60ミニッツ」のインタビューに答えて、「2023年末までにインフレ率はかなり低くなるだろう」と語っていました。イエレン氏はかなりハト派的な発言なのでしょうか? クラフト)彼女はもともとハト派なのですが、コンセンサスは「インフレは落ち着いてくる」ということです。問題は、2%にならないとFEDは政策を変えていけないので、果たして2%まで下がるかどうかが疑問です。 飯田)2%にならないと政策を変えられない。 クラフト)おそらく4%台は大いにあり得る。下手をしたら3%かも知れません。ただ、ターゲットの2%にいくかどうかはわかりません。