iPhoneは高嶺の花、気がつけば「プア・ジャパン」、日本人はビッグマック410円の貧しさを知らない

2022年10月02日

iPhoneや外国オーケストラ公演が、日本人には高嶺の花になってしまった。これまでも日本は円安によって貧しくなっていたが、今年3月からの急激な円安で、それがはっきりとわかるようになった。 昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第78回。 【図表】日本で410円のビッグマック、海外では日本円でいくらになる? ■iPhoneはもはや高嶺の花  アップルは9月7日、新機種iPhone14シリーズを発表した。日本での価格は、最も安いタイプで11万9800円。 Pro Maxは約20万円だ。

 昨年9月にリリースされたiPhone13シリーズでは、最も安いタイプが9万9800円だったから、20%の値上げになる。9月1日、円が急落して、1ドル=140円台となったことの影響だ。  これに先立つ7月1日、アップルは、日本での販売価格を引き上げていた。iPhone13を11万7800円から1万9000円値上げ。iPhone13 Proは14万4800円から2万2000円引き上げた。これも円安の影響だ。

 一方、厚生労働省が発表した令和2年「賃金構造基本統計調査」によると、大学新卒者の賃金は、男女計で22.6万円だ。  上で述べた価格のiPhone13を、なんとか買うことはできる。しかし、Pro Maxを買ってしまえば、食費も残らない。iPhoneは、普通の日本人にとっては、もはや高嶺の花だ。  高嶺の花となったものは、他にもある。日本経済新聞(2022年9月12日)は、オーケストラの来日コストが上昇していると報じた。

 大編成のオーケストラの場合、100人以上の人と楽器が移動する。航空運賃などが高騰しているため、経費が1億円以上増えているという。  このため、あるコンサートでは、入場料を、当初1万2000~2万8000円と発表していたが、チケット発売日の直前に、1万5000~3万2000円に値上げした。記事は、「一流オケの来日ツアーが、今後、激減するのではないか」としている。  日本人の文化環境は著しく低下する。  これまでも、外国のオーケストラやバレエの日本公演のチケット代は高かった。ただ、「贅沢」とは思っても、チケットの価格よりは、座席を取れるかどうか、どの位置に取れるかのほうが重要事項だった。しかし、1人3万円以上となれば、考え込んでしまう。

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